注連作る手に刻まれし記憶かな


今では、ホームセンターで当たり前に売られている注連飾り

むかしは、家々で稲ワラを編んで作っていました。

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技術と知恵の継承

12月23日に、村のお正月準備が行われました。

昨年同様、いくつかの班に分かれての作業。

① 阪神大震災追悼キャンドルのための竹筒づくり
② 注連縄編み・手水舎への取り付け
③ 大歳神社の幕張り、神灯取り付け
④ 境内、神社前道路等の清掃

神社役員さんの提案で、今年は「技術の継承」をテーマに、いちばん若手のわたしと、次に若い方の2人が②の注連縄づくり班に指名。

個人的に、稲ワラでの縄結いや注連縄づくりに興味があったため、心の中で「やったぁ!」と叫びました。


注連縄づくりには、その年に収穫したお米の稲ワラを使用します。

うまく乾燥させないと、かびが生えてしまいます。

(案の定というか、わが家の藁は少しカビてしまいました・・・)

 

ざっくりですが、作業は以下のような流れです。

①編みやすくするため、稲ワラの束を樫の木槌でたたいてやわらかくしてから作業開始。

②稲藁の大きな束を柱にくくりつけ、大きく三つ股に分けます。

③三つ股のうち、ふたつを結います。(稲ワラを継ぎ足して長くしていきます)

④できた縄と、残りの1つを結い合わせます。

⑤細かい”ひげ”をハサミやバーナーで掃除します。

写真がないため、これを読んでも、ピンとこないと思います。

(写真を撮るどころではありませんでした・・・。)

太すぎず、細すぎず。

ねじりすぎず、ゆるすぎず。

そのさじ加減が難しく、わたしたち若手は四苦八苦でした。


米づくりが生活の基礎

実は、前々から長老とは年内に縄結いのレクチャーをしてもらう約束をしていました。

条件は、

「来るならあったかい日にしてくれな」

正月準備の翌朝は、あたたかな小春日和。

年末にかけて冷え込む予報だったので、「復習も兼ねて、今日しかない!」とおじゃましました。


レクチャー当日の様子は、記事前半の反省をふまえ、写真ギャラリーにて。

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細くて使いにくいワラを、取り除きます(「そぐ」)
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やわらかくするため、木槌で叩きます。これが甘いと作業しづらいです(実体験)
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今回は、一般的な正月飾り「めがね」作り。大きく2股に分けます。
輪を二つ作って括ります。
輪を二つ作って括ります。
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先生作。
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わたし作。
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少し上手に出来たものをさっそく玄関に飾りました。

いかがでしたでしょうか?

やっぱり、肝心の結い方はブログでお伝えするのは難しいです。

昔の日本人は、縄や草履、座布団、むしろなど、生活に必要なあらゆるものを稲ワラで作っていました。

それだけ「米を作る」ということが生活の基盤にあったのだと思います。

「いざとなれば自分で作れる」という知恵とスキルは、これからの時代にこそ必要なものかもしれません。


今日の一句

注連作る 手に刻まれし 記憶かな

しめつくる てにきざまれし きおくかな

季語:注連作る(冬)

足腰が心もとなく、茣蓙(ござ)に座るのもひと苦労の長老。

「昔はもっとうまいことしよったんやけどのぅ」とこぼしながらも、見よう見まねで習得したという暮らしの技は、手がしっかりと覚えているようでした。


2件のコメント

  1. 技術と知恵の継承!
    本当に、大切にしたいことですね。
    神河に暮らしながら、まだ今だから、引き継いでいけることを、いつかじゃなく、今、受け取っていかないと、身をもって感じます。
    引き継ぎたいことの数々と、まだまだ、全然、受け取りきれていない自分の器の小ささに、もどかしさを感じながらも、一つずつ、一つずつ、一つでも多く、また次の手へ渡していけるようになりたいなと思います。
    受け取る手が、少しずつ、少しずつでも増えていってくれますようにと、貴士さんのブログを読ませていただきながら、願う気持ちが深まりました。
    長谷の地で、素敵な時間を過ごされていることに、ありがとうです。

    高橋陽子

    1. 「誰から教わったんですか?」と訊いたら、「ちゃんと教えてもろたことなんかない。親やみんながしよんを見てや」。

      生活の中で、自然と生活の知恵や技術が受け継がれていたのだと思います。

      当たり前のように米と野菜を作り、薪で火をおこし、冬場は夜遅くまで家族で黙々と手作業に打ち込む・・・。今の暮らしの「元の姿」の断片を見た気がします。

      土地の宝ものを大切に受け取り、地元の方もまちの方も嬉しくなるようなお店を営まれている陽子さんの姿を思い浮かべるたび、「すごいなぁ」とため息がもれます。同じ神河町で過ごせることを嬉しく思います。

      クリスマスを経て年の瀬、くれぐれもご無理はなさらないでくださいね。

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