当ブログについて


都会から、水と空気の澄む築170年の古民家へ。 AIが一瞬でことばを自動生成する時代に、あえて「人間が悩み、ことばを削る泥臭いプロセス」を遺す実験的な俳句ブログです。 都会と地方、デジタルとアナログを行き来するドキュメンタリー。

毎週木曜更新

From a bustling city to a 170-year-old traditional house, where water and air run pure.
In an era where AI instantly generates text, this is an experimental Haiku blog that documents the raw, human process of hesitation, reflection, and crafting words.
A living documentary of a creator navigating between urban and rural, digital and analog.Updated on every Thursday.

母屋外観
受け継ぎ暮らす築170年超の古民家
デジタルとアナログ、人と情報が交差する私たちの実験場


なぜ今、わざわざ「俳句ブログ」なのか。


2010年代の後半から、AIによる文芸創作の可能性は注目されていました。

不気味な脅威と虚無感がじわりとやってきつつも、まだ「見て見ぬふり」ができた。

ところが2023年の対話型AIの登場によって、いよいよ人間と同じ土俵に乗るように。ついには、AIとの判別の難しさを理由に、長年続いてきた文芸コンテストが中止・終了になる事態まで起きています。

この数年で起きたことは、あらゆる文芸創作にとって大きなターニングポイントであり、ひとつの歴史の区切りであると感じています。

かと言って、「それならもういいや」と俳句そのものを投げ出すのは、あまりに惜しい。(俳人は未練がましい生き物なのです)


伝統的な俳句の世界では、作品の自己解説は「野暮」あるいは「御法度」とされてきました。

ただ、時代がここまで変化した以上は、完成した17音の俳句をただ置くだけでなく、その一語に至るまでに「どのように迷い、悩み、言葉を削ったのか」という思考の軌跡や、着想の背景にあるエピソードを、そのまま開示していくことこそがリアリティや価値を生むのではと考えるに至りました。

ビッグデータの収集と配置では決して真似できない「生身の人間のドキュメンタリー」。その中にこそ、これからの言葉の、表現の美しさが宿るのではないか。木漏れ日のようにうっすらと光が見えるうちに、行動を起こしたい。

そんな思いに突き動かされて、2014年に開設したブログのコンセプトを大幅にリニューアルして再開しました。


私にとっての「原点」は、俳句だけではありません。

神河町の土に触れ、季節の移ろいと共に生きる中で気付かされた「くらしの原点」。
歴史の重みを感じる家屋を受け継ぎ、場を営み、人と地域の経済をつなぐ「しごとの原点」。

あらゆる活動の起点となる「人間らしい原点」を、いろんな引き出しを開いてユーモアを交えながら、ジャズのように記録していく。そんな、ちょっとマニアックで、手間のかかる実験の場です。

都会と地方を、行き来して。

デジタルとアナログを、行き来して。

一人の俳人が、ことばを扱う生業を選んだ人間が、日々どんな風に世界を観察し、言葉を産み落とし、削ぎ落としているのか。

日々の余白の中で、のんびりとお付き合いいただければ幸いです。

2026年5月
山口貴士


著者紹介

profile

山口 貴士 やまぐち たかし

1984年 兵庫県姫路市生まれ。早稲田大学大学院 教育学研究科修了、専門は江戸の初期俳諧。総合広告会社を経て、2014年 結婚を機に兵庫県神河町へ夫婦で移住。事業と暮らしを営みながら、創作活動に取り組む。ヤギ一頭と二児の父。

 -第五回芝不器男俳句新人賞(2018年)
  最終選考候補作品100句

 -第4回新鋭俳句賞(2020年)
  最終候補作品30句