夢二描く女微笑む冬はじめ

谷間の家さんきらの話題がふたつ続いたところで、次はわたしの個人活動。

所属する俳句結社の、「吟行」を兼ねた旅行に参加しました。


吟行とは何ぞや?

ギンコウ。

まず「銀行」が思い浮かぶと思います。

吟行とは、詩歌を詠むために景勝を訪ねることです。

 

わたしが所属する俳句結社『姫路青門』では、このたび吟行を兼ねた秋の日帰りバス旅行が催されました。

わたしにとっては、いつも誌面で拝見している先輩方とはじめて顔を合わせる機会。

にもかかわらず集合時間に遅刻してしまい、みなさんに大変なご迷惑をお掛けしました。

この場を借りて、重ねてお詫び申し上げます・・・。

<スケジュール>

日時:2015年11月17日(火)

8:00 姫路駅ロータリー出発

9:30 夢二生家/夢二郷土美術館

11:00 牛窓オリーブ園

12:00 昼食(潮菜という古民家レストラン)

13:00 句会

15:30 牛窓出発

17:00前後 姫路駅にて解散

ごらんのとおり、平日まっただなかの火曜朝~夕方の日帰りという行程。

きっとお姉さま方から、「この若い子、どんな生活してるんだろう」と疑問に思われたことでしょう。


姫路青門版・句会の流れ

この日の参加者は、ベテランの先生方もふくむ約40名

主な作句スポットは、竹久夢二の生家オリーブ園でした。

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幼少期は、へのへの茂次郎と呼ばれていたそうです。このことを詠んだ方も複数いらっしゃいました。
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夢二のアトリエの名は、山帰来(さんきらい?)荘。ひとり小躍りしました。

瀬戸内の気持ちよい冬晴れを期待していましたが、当日はあいにくの雨

実際の景色やできごとをもとに、決められた時間内でどれだけ選者の心に響く句を作れるかが勝負です。

※目で見たものを詠む=嘱目吟(しょくもくぎん)といいます。

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オリーブ園のカフェスペースにて、瀬戸内海を望み句作する一同。ちなみにいちばん手前は、旧大河内町長の井上志朗さんです。

おおまかな句会の流れは、以下のとおり。

 

① あらかじめ配られた2枚の短冊に1句ずつ記入し、事務局に提出。

② 会場に設置してあるテーブルに着席

③ 筆跡を分からなくするため、短冊に書かれた句を担当者が手分けして10句ずつ別紙に書き写す

④ ③を適宜枚数コピーしたものを、各テーブルで回覧(今回は計8枚)

⑤ テーブルに回ってきた紙を一人ずつ読み込み、優れていると思う句と番号を手元にメモ。

⑥ ⑤を繰り返し、書きとめたメモの中から5句を選び、提出用紙に書いて提出します。(記名)

⑦ 集まった提出用紙(今回は約40枚)に書かれた句を、代表が1句ずつ読み上げます。

⑧ 自分の作品が読み上げられたら、全体に聴こえるように名乗ります。

⑨ 最後に、会の重鎮による特選句の発表が行われます。(商品つき!)

(所要時間:2時間弱)

 

書いていて指が痛くなってきました。

 

やはりというか、ベテランの方々の句さばきは見事というほかありません。

たとえば、雨に見舞われた瀬戸内の島々のようすを冬の季語「時雨」で美しく表現した句はまさに脱帽でした。(秀句として選んだ人も多く、何度も読み上げられていました。)

わたし自身はあまり手ごたえがなかったのですが、前半に1句読み上げていただき、「や、山口貴士です!」と声が少し裏返ってしまいました。


俳句を通した出会い

「なぜ、俳人は俳句を詠むのか」

考えてみれば、不思議です。

わたしの場合、ことばへの嗅覚や感性を研ぎ澄ませる訓練でもあると思い取り組んでいますが、今回の吟行と交流を経て、ビジネスや生活から少しのあいだ離れ、年齢や性別をこえて「心の友」と出会うきっかけを与えてくれるものだと気づきました。

これからも日々アンテナを張って、俳句の世界と向き合っていきたいと思った次第です。

(妻は良い迷惑だと思いますが)

 

~ 俳句結社「姫路青門」 入会のおさそい ~ 

姫路青門は、平成23年に終刊となった『青門』の
後継として発足された
姫路エリアを中心とした俳句結社です。

会費は、半年6,000円。月初に会報が届きます。

基本方針は、
「写生・写実から一歩踏み込んで主観を内包した平易清新な句風」

会員の投句欄および千姫抄と揚羽抄の選者は
中嶋常治先生と近沢正人先生(わたしの先生です)が隔月交代で担当。
課題句(選者・小寺昌平)後欄抄(選者・吉岡木骨)のほか
誌上句会「二句集」などさまざまなコーナーが設けられており、
毎月盛りだくさんです!

会員の高齢化が課題となっているそうなので、
興味のある若手世代の方、ぜひご一報いただければと思います。

(公式サイトが無いので、ここでご紹介してみました)

<入会申し込み/お問い合わせ>

670-0896 姫路市上大野4-2-35

姫路青門編集室 代表 中嶋常治

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