山茱萸の光こぼるる旧家かな

砥峰高原の毎年恒例行事、「山焼き」

今年はめずらしく天候に恵まれたものの、思わぬ事件が発生しました。


 ジンクスを破った?「砥峰の山焼き」

当日は、朝からすっきりと気持ちの良い快晴。私たち夫婦は、なぜか毎年同日に行われる、集落の交流行事「ジャガイモ植え」へ。

例年、ススキが芽吹く手前の3月下旬に山焼きが行われるのですが、どういう訳だか雨天や積雪が重なり、延期が重なることが多いそうです。正直、地元民にとっては決して関心の高いイベントではありませんが、めったにない好天に、「今年は珍しく予定どおりやのう。」という声がちらほら聞かれました。

山焼き直前の草原
1週前の砥峰高原(東京からの客人を案内した際の1枚)

山焼きの開始は14時。関連イベントは11時から行われます。

「砥峰の山焼きをこの目で一度見てみたい!」と前日から楽しみにしていたのですが、どこで歯車が合ったのか外れたのか、結果的に参加を断念することになりました。


新たな「空き家」と向き合う 

というのも、久しぶりにお会いした区長さんに了承をいただき、ある場所の手入れ作業に没頭することになったからです。

それは、かねてから気になっていた、『谷間の家さんきら』向かいの空き家。

妻の親戚にあたるお家なのですが、諸事情あって家主が様子を見に来ることが難しく、5年ほど手つかずの状態。黒竹がトタン屋根を突き破り、フジヅルがあらゆる植物に巻きついているその様相は、さながら野生のジャングルです

以前の記事でも紹介したアルスのノコギリが活躍してくれたものの、たとえば年季の入ったフジヅルは、「ツル」というより立派な「木」。もともと植えてあったと思われるアオキツバキといった庭木を傷つけないよう刈り取っていく作業は、なかなか骨が折れました。

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山茱萸の木

事件発生!

そうこうしているうちに、時計の針は正午すぎ。

ちょっと要領も分かってきて中断するのも惜しい気持ちになり、ズルズルと時間が過ぎていきました。

「もう昼やから、山焼き見に行くならそろそろやなぁ・・・」と相談をしていると、市街地方面からサイレン音が。

「一応消防チームがスタンバイしとくもんなんやろか?」と顔を見合わせていると、砥峰高原に続く目の前の道を、慌ただしく消防車が走りぬけていきました。

少し間があき、続いてもう1台。

また1台、2台とサイレンの音が増えてきます。

「これは様子がおかしい!」とtwitterをチェックすると、なんと、観光客の火の不始末によりフライングでススキが燃焼したとの情報。

ただでさえ山道が混み合う中、火事の混乱もあいまった状況を想像し、腹をくくって目の前の作業に撤することにしました。


 

P.S.

翌日に新聞で知りましたが、消火活動によりステージイベントは中止、山焼きは仕切り直して一応実施されたそうです。

なんでも70代のおじいさんが、珈琲を飲もうとガスバーナーで湯を沸かしたのが原因だとか。

火の不始末はいただけませんが、最近のシニアは本当にアクティブだと本筋と関係ないところで驚きました。

来年は、事故無く、予定どおり開催されることを祈るばかりです。


今日の一句

山茱萸の 光こぼるる 旧家かな

さんしゅゆの ひかりこぼるる きゅうかかな

季語:山茱萸(春)

永年、重たい蔦(つた)に覆われていた山茱萸(さんしゅゆ)の木。

弓を放つように「えいやっ」と蔦をはぎ取ると、ゆさゆさと揺れながら、光り輝く黄金色の花が青空に広がりました。

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