美しい川沿いにしか生息しないというゲンジボタル。長谷の犬見川では、昨年より少しはやく見ごろを迎えています。
ホテルモンテローザに隣接するわくわく公園にて、今年もほたる祭りが開催されました。
長谷地区のほたる祭り
一度参加したいと思っていた、長谷のほたる祭り。村の先輩からお誘いいただき、ライブステージに出演させて頂くことになりました。
イベントは16時から開始。関係者が約30人ほど集まって、朝9時から会場設営を行います。
全体挨拶の際にあたりを見回すと、わが大川原区長をはじめ、昨年、地域のお祭りで知り合った方、何かとお世話になっている役場の方、ふれあいマーケットでご挨拶したことがある方など面識のあるお顔が少なくありませんでした。
移住してからの一年、この長谷でたくさんの出会いを経験させて頂いたなぁと少し感傷にふけってしまいました。
各集落のリーダーが勢ぞろい
ライブ出演の時間まで、せっかくなので妻と屋台めぐりをしてみることにしました。
隣村のブースのおでんなどを物色していると、とあるテントにて数名でテーブルを囲んでいる年配の男性(という定義がもはや分かりませんが)から、手まねきされました。
「コロッケあるから食べぇ」
満面の笑みで声を掛けてくださったこの方。どこかでお見かけしたと思ったら、犬塚のお祭りで一度お会いしていました。
そこから肉じゃがコロッケをつまみながら、ノンアルコールビール片手に色々とお話をしていると、なぜか皆さんわたしたちのことをよくご存じで。なぜかと思ったら、何人かが義母の同級生。
順にお住まいの地区とお名前を聞いていくと、なんと全員が現区長!
そうとは知らず、各集落のボスにまぎれて、差し出されたコロッケを二人して遠慮なく食べていたのでした。
ひとつひとつ地形や風土が微妙に異なる長谷の集落。そのリーダーが一堂に会している光景は、さながら戦国武将がずらりと居並んでいるような迫力がありました。
『ほたる祭り』デビューステージ
そして、肝心のライブ本番。
考えてみると、わたしたちの演奏を村の方に聴いていただいたことはほぼありません。
自己紹介のMCを終えて1曲目『通り雨』の曲紹介をしたあたりで、わが区長が最前列に座っているのに気付き、かつてない種類の緊張が発動。残念なイントロになってしまいました。
メンタルを鍛えなければと思います。
(演奏を終えて挨拶に行ったら、「わしには、全然分からんかった!演歌やったら分かるんやけどのぅ」とストレートに言っていただき、なんだかほっとしました)
田舎に人を呼び寄せる蛍
今年で7回目を迎えるこのイベントを主宰しているのは、『長谷地区の振興を考える会』。
長谷に9つある集落の各区長および各区で選出された委員等で構成されています。
当日、会場で印象的だったのは、若いカップルや夫婦の多いこと。神崎郡出身の高校時代の同級生とも出会いましたが、その友人も市川町出身の同級生と偶然出くわしたそうです。実際、昨年あたりから若い人が増えているのだとか。
年に一度だからこそ、あの田舎におとずれたいと思わせる蛍の力。
地域の一員として、この環境を大切に守っていかなくてはと思います。
今日の一句
蛍火の灯るはやさの呼吸かな
ほたるびの ともるはやさの こきゅうかな
季語:蛍(夏)
この季節になると、日ごろ静かな犬見川の遊歩道に賑わいが生まれます。
川沿いの茂みをぼんやり眺めていると、ゆっくりと明滅を繰り返す蛍のリズムと一体化するような心地がしました。