つちふるや海わたるエルメスの革

年度も変わり、気分あらたな春。

久しぶりに財布を新調しました。


財布と風水

ここ2~3年ほど使用している財布は、妻に趣味が悪いと言われ続けている白色のクロコダイル装飾のもの。

白い財布はそれまでの金運をリセットするという風水の教えを参考に、少しでも出費がおさまるようにとサラリーマン最後の一年に購入したものです。

その前に使っていたのは、赤に近いあざやかな栗色に惚れ込んだホワイトハウスコックスの長財布。

イメージ(別モデルですが)
イメージ(別モデルです)

とても気に入っていたのですが、赤い財布は風水的には「投資」と「支出」のシンボルカラー。面白いぐらいに手元にお金が残らず、挙句の果てには大阪・難波のマッサージ店で紛失という悲惨な末路をたどりました。

家相はまだ分かりませんが、財布の風水はちょっと説得力を感じています。


松浦弥太郎さんが、ポリシーのひとつとして「お金が喜ぶお金の使い方をする」ことを挙げておられますが、自分自身を振り返ると、その本道にさからうことばかりしてきたように思います。

ついつい「お金を稼ぐ」「お金を使う」と自分が主語に考えてしまいますが、お金のほうだって寄っていく人間を選んでいるのかもしれません。

堂々と、謙虚に、お金と対峙したいものです。


初めてのオーダーメイド財布

身に余りある立派な会社にお邪魔することも増え、身に付けるものをもう一度見直そうと思ったときに、まず浮かんだのが財布。

ご縁あって、福崎の革工房『whim』さんにお願いすることにしました。

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whimさんは、ミラノのかばん見本市で作品が入賞したこともある一橋明久さんが営むお店。

すべて手作りのオーダーメイドかばんや財布が特に人気で、時期によっては順番待ち状態です。

以前から気になっていたのですが、自分が目標にしていた仕事が決まり、購入を決意しました。

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今回は、着実に蓄財できるように「黒」にしようと思って相談したところ、サンプル棚から出していただいたのが、光沢の美しい黒レザー。エルメス社が取り寄せた革素材の中で、厳しいチェックを経て惜しくも採用されなかったものだそうです。

お話を伺うと、過去にこの革で財布を作った社長さんが危機を乗り越え大繁盛したというエピソードも。

革素材は日々入れ替わるそうで、まさに一期一会。

大切に、使いこんでいこうと思います。

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今日の一句

つちふるや 海わたる エルメスの革

つちふるや うみわたる エルメスのかわ

季語:霾(春)

俳句では、「霾(つちふる)とも書きます。モンゴルや中国北部から日本に黄砂がはこばれてくる現象をいいます。

エルメス製品としては日の目を見ることの無かった革が、はるばる日本へ運ばれてきた航路を想像しました。

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