神河町のおとなり、市川町。
宿場町の香りを残す”銀の馬車道”の一角に、古きものを愛する女性オーナーが営む『まるみや堂』がオープンしました。
築100年の古民家との出会い
好きが高じて、長年にわたり骨董品や古道具を収集してきた、オーナーの前田真知(まち)さん。
(すらっとした和風美人なのですが、残念ながら顔出しNG・・・)
愛する古道具たちをおさめる場所が欲しいと思っていたところ、タイミングよく今の物件と出会ったそうです。
もとは市川町の空き家バンクに登録されていた物件。
「賃貸なら借りたい」という申し入れが複数あったそうですが、オーナーのご希望で、「購入以外はNG」。
だんだんと賃貸で借りたいという話も落ち着き、一時は解体する寸前まで話が進んでいたそうです。
そんな中、真知さんが「ダメもとで」オーナーに連絡したのが今年5月。
すると、おなじ屋形地区の出身ということもあってトントン拍子に話がすすみ、希望する条件で借りられることに。
今ではすっかり真知さんのサポーターとなり、すすんで駐車場の改修を申し出るなど何かと力になってくれているそうです。
DIY精神と空間づくりのセンス
築年数こそ経っていますが、代々の家主が大切に手入れされており
「こんなにモノがすっきりと片付いているのははじめて見た」
と、たくさんの空き家を見てきた真知さんが驚くほどの状態。
それでも、階段箪笥でつながる2階部分は何十年と足を踏み入れた形跡がなく、畳もぼろぼろ。
「せっかくなら、できるところは自分でやろう!」
と決意し、献身的なご主人(!)と二人三脚で改修作業を行ってきたそうです。
梅雨から真夏にかけて、、、
痛んで腐食した畳を2階の梯子口から1階におとしていく。
高さに合うよう、天地を削って障子を入れ替え。
柿渋を取り寄せてじぶんで塗る。(銀杏のようなにおいが充満して大変だったそうです)
2階の天井板をいったん外してコンパネを敷き、その上に杉板を打ち付ける。
「何も知識がない状態で壁に漆喰を塗っていくうちに、左官職人さんが下から上に塗るという理屈が体で分かった」
など、その見た目からは想像できない言葉が次々と飛び出します。
おそるべき行動力とセンスを兼ね備えた人です。
ちなみに、「まるみや堂」という不思議な名前の由来はふたつ。
①大阪、三重、兵庫と3つの場所を渡り歩いたところから。
②三重県で流行していた「焼肉屋さんの鶏肉版」のようなお店をしようと考えていたときに、マルに三重の「ミ」で「まるみ食堂」という名前にしようと思っていたから。
意外と、古道具とは関係ありませんでした。
オーナーが愛する古道具と出会えるサロン
2015年11月22日(日)にオープン。以後は、毎月第4日曜日のみ開店です。
露店に持っていくことが難しい家具や、アンカーグラスやレトロな照明などオーナーが愛する品々がセンスよく並べられています。
駐車場は準備中ですが、施設の両脇に計3台は少なくとも停められるようになる予定です。
月1度のチャンスを狙って、ぜひ足を運んでみてください!
今日の一句
ストーブを 背に聞く謂れ 古道具
ストーブを せにきくいわれ ふるどうぐ
季語:ストーブ(冬)
築100年の古民家のかたわらに置かれた、小さなストーブ。
古道具にまつわるお話を聞きながら、しばしの間タイムスリップしました。
いいですね♪
雰囲気もg ~♪
岸本様
コメントありがとうございます。とても心地よい空間です!はしばしにモノへの愛情を感じますね。