いよいよ、暦の上では冬も終わり。
この季節も田んぼの手入れがあります。
米農家の冬
とある日の夕方。
妻とお客さまを見送ったあと、田んぼ越しに区長の姿が見えました。
手招きされて駆けつけると、「(水を引き込む調整弁が閉まっていたので)水入れといたったぞ」
とのお言葉。
区長は冬季湛水の農法ではないのですが、わたしたちの作り方も尊重してくださっているのだと感じます。
ただ、一方でご指導も。
「これは抜いとかなあかん。」
そう言いながら指さされたのは、畦ぎわのしぶとそうな雑草。
今回はじめて知りましたが、その名も
ヨバイグサ。
冬のあいだでもグングン伸びてくるため油断禁物のようです。
女性読者には申し訳ありませんが、わたしが名付けた訳ではありませんので何卒ご了承ください。
久々の田んぼ仕事。
翌日から姫路で仕事の予定が立て続けに入っていたこともあり、善は急げとさっそく作業開始。
お気に入りの田植え長靴「大地」を履いて、ひたすら草抜き。
水を張っているため土が重く、想定以上に時間がかかってしまいました。
地道な農作業を延々続けていると、頭の中が空っぽになります。
気づけば歌を口ずさんでいることも多いのですが、この日気づいたのは、日本の農作業には日本の歌が合うということです。
たとえば「日本むかしばなし」の主題歌や「ヨイトマケの唄」のような、「よっこいしょ」と両手両足が一緒に前に出そうな唄やリズム。
どうやっても、百姓の労働からは「おおシャンゼリゼ」や「マイフェイバリットシングズ」は生まれません。
そんなことを考えながら、うろ覚えの歌詞で「ヨイトマケの唄」を歌っていると、なんだかうるっときてしまいました。
https://www.youtube.com/watch?v=qt70qMMSlhY
翌朝。
お約束というべきか、筋肉痛で太ももがパンパンに・・・。
お米~のためなら、エンヤコラ・・・
今日の一句
一羽来て 一羽また来る 春隣
いちわきて いちわまたくる はるどなり
季語:春隣(冬)
「春隣」とは、春がすぐそこまで近づいているという意味の季語です。
ことし最後の冬の句です。