穂芒の一糸乱れず揺れにけり

砥峰高原には3つのお祭りがあります。

西日本有数といわれるススキの大高原を維持するために、木を焼き払う3月の「山焼き」

かがり火と350本もの松明に照らし出される、幻想的な「夜のススキ」を味わう9月の「観月会」

そして、黄金色に実ったススキの穂をバックに、ライブや屋台等が催される10月の「ススキまつり」です。

【「秋の砥峰高原」参考記事】
『たびねす』「銀色のススキ輝く高原へ~秋の砥峰高原を散策」


今回、初めて「ススキまつり」に参加しましたが、とにかく人が多いことに驚きました。

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入り口からステージまで屋台が立ち並びます。

私たちが到着したのは開始時間の11時ごろ。噂には聞いていましたが、駐車場まであと少しというところで渋滞に突入。こんな日は、すいすいと車を追い抜いていくライダーの皆さんが羨ましく思えます。(大学時代に単車を譲り受けたことがありますが、練習中に「ひとり転覆事故」を起こし、乗ってはいけない人間だと悟った苦い記憶があります)

メインステージは、長谷小学校の生徒による「ドッコイ、ドッコイ」の掛け声が可愛い「砥峰太鼓」や、大所帯のフラバンド、ベンチャーズのカバーバンド、ディジュリドゥとエレキギターによるインプロビゼーションなど多彩な内容。残念ながら能年玲奈ちゃんは居ませんでした。

ステージの演目。
ステージの演目。
かみかわ親善大使の中野百合絵さん。映画『ノルウェイの森』を観たことがきっかけで志望されたそうです。
かみかわ親善大使の中野百合絵さん。映画『ノルウェイの森』を観たことがきっかけで志望されたそうです。

砥峰高原の謎

高原の中の小高い丘のような独特の地形は、専門家の眼から見ると自然の地形では無いそうで、かつてここで「たたら製鉄」が行われていた名残ではないかと言われています。隆起しているのは花こう岩の堅い部分で、砂を掻き出した際の残りだとのこと。

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【参考】「兵庫の山々 山頂の岩石」 ※画像引用

また、ご近所さんから聞いたところによると、昔は砥石が採れたので「砥峰」の名前はそこに由来しているとも。

あれこれ想像を巡らせると、だだっ広い高原に、人の息吹が感じられてきます。


今日の一句

穂芒の 一糸乱れぬ 踊りかな

ほすすきの いっしみだれぬ おどりかな

季語:芒(秋)

ススキを詠んだ句としては、飯田蛇笏の「をりとりて はらりとおもき すすきかな」が有名ですね。漢字で表記される場合は「芒」もしくは「薄」となります。黄金色に実った穂先が動物の尾のように見えるという由来で、「尾花」とも。

山あいの力強い風に吹かれながら一斉になびく様子は、まるで日本の舞踊ぼんやりと見つめていると、穂先の残像で景色が白く霞むかのようでした。

この季節ならではの贅沢です。

※11/7 改作しました。 【旧】穂芒の一糸乱れぬ踊りかな→【新】穂芒の一糸乱れず揺れにけり

「踊り」が秋の季語となる為、季語が重複しているとのご指摘を頂きました。私の不勉強でした。失礼しました。今後ともご意見やご指摘、宜しくお願い申し上げます。

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