一羽来て一羽また来る春隣


いよいよ、暦の上では冬も終わり。

この季節も田んぼの手入れがあります。


米農家の冬

とある日の夕方。

妻とお客さまを見送ったあと、田んぼ越しに区長の姿が見えました。

手招きされて駆けつけると、(水を引き込む調整弁が閉まっていたので)水入れといたったぞ」

とのお言葉。

区長は冬季湛水の農法ではないのですが、わたしたちの作り方も尊重してくださっているのだと感じます。

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上空から。水を堰き止める板のすきまに落ち葉が詰まって溢れがちなのでここも要注意。

ただ、一方でご指導も。

「これは抜いとかなあかん。」

そう言いながら指さされたのは、畦ぎわのしぶとそうな雑草。

今回はじめて知りましたが、その名も

ヨバイグサ。

冬のあいだでもグングン伸びてくるため油断禁物のようです。

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少しわかりにくいかもしれませんが、水面に伸びていこうとしている草です。

女性読者には申し訳ありませんが、わたしが名付けた訳ではありませんので何卒ご了承ください。


久々の田んぼ仕事。

翌日から姫路で仕事の予定が立て続けに入っていたこともあり、善は急げとさっそく作業開始。

お気に入りの田植え長靴「大地」を履いて、ひたすら草抜き。

水を張っているため土が重く、想定以上に時間がかかってしまいました。

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地道な農作業を延々続けていると、頭の中が空っぽになります。

気づけば歌を口ずさんでいることも多いのですが、この日気づいたのは、日本の農作業には日本の歌が合うということです。

たとえば「日本むかしばなし」の主題歌や「ヨイトマケの唄」のような、「よっこいしょ」と両手両足が一緒に前に出そうな唄やリズム。

どうやっても、百姓の労働からは「おおシャンゼリゼ」「マイフェイバリットシングズ」は生まれません。

そんなことを考えながら、うろ覚えの歌詞で「ヨイトマケの唄」を歌っていると、なんだかうるっときてしまいました。

 

翌朝。

お約束というべきか、筋肉痛で太ももがパンパンに・・・。

 

お米~のためなら、エンヤコラ・・・

 


今日の一句

一羽来て 一羽また来る 春隣

いちわきて いちわまたくる はるどなり

季語:春隣(冬)

「春隣」とは、春がすぐそこまで近づいているという意味の季語です。

ことし最後の冬の句です。


兵庫県姫路市生まれ。早稲田大学大学院 教育学研究科 修了。専門は江戸の初期俳諧。 総合広告会社(博報堂DYホールディングス)を経て、2014年兵庫県神河町に移住。2015年起業。2020年より株式会社OFFICE KAJIYANO 代表取締役 俳句結社「姫路青門」所属

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