しぐれたる古木の下のもの想い


『谷間の家さんきら』の門の横で存在感を放っていたガレージ。

今後のために、撤去する決断をしました。


おばあちゃんの想いが詰まったガレージ

姫路・神戸方面から車で『谷間の家さんきら』へ向かうとき。

長谷郵便局を過ぎて、「あと0.5km」という、控え目すぎて山の一部になっている看板を右手に通過。

しばらくまっすぐ行くと右手にそれらしき古民家が見えて到着・・・・

と思いきや、最初に出会うのは敷地東南隅にあるガレージでした。

今は亡き妻のおばあちゃんが一人で暮らしていたときに建てたもので、実際に車を停めることもできるものでしたが、設置の大きな理由は「安心のため」。

というのも、「立派なガレージがあれば、男性が住んでいると思われるだろう」との考えがあったからでした。


そのおばあちゃんは約10年前に他界。

この家に思い入れの深い義母が思い切って全面リフォームされた際に、ガレージをどうするか悩んだそうですが、「何かに使えるのでは」という声もありそのまま残すことに。

まわりに植木を施した関係で、結果的に、車を停めることができないガレージという不思議な建物になっていました。


お別れのとき。

『谷間の家さんきら』ホテルスパのようなリラクゼーションメニューが中心なので、客室である離れにお迎えする際には、気持ちよく過ごしてもらえるよう、苔庭の手入れや床の間のあしらいなど色々と心配りをします。

そのお店の空間と居住空間とがつながっているため、親しくなった方に

「また一度家に遊びに来てください」

と言いながらも、人が訪れると思うとどこか気を張ってしまいがちです。

しかし、大川原生活2年目を迎え自分たちの暮らしがだんだんと形になってきた今、もう少しオープンに、気軽に立ち寄ってもらえるようにしたいという想いが強くなってきました。

そこで考えたのが、母屋でも離れでもない、第3の場所を作ることです。
(さんきらに来たことのある方は分かるかもしれませんが、母屋の向かいにある小さな小屋です)

お目見えは少し先になるかもしれませんが、その導線づくりのため、義母とも相談してまずガレージを撤去するに至りました。

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「今までおばあちゃんを守ってくれてありがとうございました」と二人で手を合わせました。

 

当日は、まさかの11tトラックが登場。

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大型車を扱う手さばきに脱帽。

重機やホコリを抑えるためのシャワーなどの配置が固まり、いざドリル作業が開始されました。

 

するとその瞬間。

 

「ドガガガガガ・・・!!」と想像以上の轟音が山あいの地形に響きわたりました。

 

「これはまずい・・・!」

と、すぐさま隣近所へ。

 

「ええよええよ。おたがいさまやし」

「●●さんが作業されよんか思ったわ」

「おぉ、ガレージなんかあったかいの」

「もったいない気もするけどねぇ」

 

反応はさまざまでしたが、概ねあたたかく受け入れてくださりほっとしました。


「一日あれば終わる」と聞いていたのですが、植木や石垣の位置の関係で重機がうまく入らない部分があり、結果的にまる二日がかりに。

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重機を傾けつつ石垣に乗り上げて作業するという匠の技。

村の方にずいぶんご迷惑をお掛けしましたが、職人さんたちのご尽力のおかげで無事撤去が完了しました。

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外観が変わりました。

訪れる人も自分たちも楽しい場を作っていけるよう、一歩ずつ準備を進めていきたいと思います。


今日の一句

しぐれたる 古木の下の もの想い

しぐれたる こぼくのしたの ものおもい

季語:時雨(冬)

そこにあったものが、なくなったあと。

通りからよく見えるようになった大きな桜の木の下で、色んな感情がこみ上げてきました。


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