春光や一気呵成に走る筆


句会でもお世話になっているお姐さまが出展されているということもあり、『兵庫県立 但馬長寿の郷』(養父市)で開催された『第43回 心象但馬書展』に足を運んでみました。

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型を知って、型を破る。

同書展は、西田玉龍会長を中心とする心象書道会の恒例イベント。玉龍先生は、但馬を拠点に近畿一円にお弟子さんがいらっしゃるそうです。

今回の展示では、「座右の銘」をテーマに描かれた会員の作品が集められていました。

村の先輩、橋元渓翠さんをふくむ三人展も併催。
村の先輩、橋元渓翠さんをふくむ三人展も併催。写真は、渓翠さんオリジナルの俳句作品と書。

私がおとずれた21日(土)の午後には、各部門より選ばれた会員による「席上揮毫(せきじょうきごう)が行われました。

揮毫とは、「毫(ふで)」を「揮(ふる)」う

つまり、観衆を前にしたライブペインティングです。

年齢やランクごとに4部門。

おおまかにいうと、小学生、中高生、一般、そして会長の西田玉龍先生という順番です。

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コピーライターという職種ながら、「文字を書く」ことは、私にとって目下最大のコンプレックス。

小学生の部がはじまって間もなく、

「これは敵わん」と思いました。

高校生ともなると、テーマは漢詩文、しかも優雅なくずし字です。

普段自分が書いている、「文字まがいの文字」が恥ずかしくなりました。

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一般部門では、ダンサー5人をしたがえ、ゆずの『虹』をBGMに大胆な墨絵風ペインティングをされる方も。

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こうして順番に見ていくと、「守破離」、すなわち「型を習得してはじめて、型をこえることが出来る」という理念に思いが及びました。

私じしん、時にアヴァンギャルドな俳句に憧れることもありますが、今はじっくりと、基本に忠実に「型」と向き合っていこうと思います。

茶道、書道、華道・・・

「道」は出口なく続くもの。足を踏み入れるには、相応の覚悟が必要なのだと感じます。


圧巻のパフォーマンス

会場があたたまってきたところで、満を持して登場した西野玉龍先生。

司会のマイクパフォーマンスも熱を帯びてきます。

ボウルにたくわえた墨汁に筆をなじませる姿に、徐々に高まる緊張感。

「静かにお願いします」と小声でおっしゃって間もなく、断崖の絶壁から飛びたつように、最初の一画がふりおろされました。

そこからは、あっという間。

御嶽山の噴火という自然現象が、ことばと文字の力によって、あざやかな芸術となりました。

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今日の一句

春光や 一気呵成に 走る筆

しゅんこうや いっきかせいに はしるふで

季語:春光(春)

またたく間に走り去るような、玉龍先生の揮毫。

猛々しい文字にしたたる墨が、春の光に照らされていました。

15.4.3追記

初案「滴る」は、夏の季語でした。自戒を込めて、ここに記録しておきます。


兵庫県姫路市生まれ。早稲田大学大学院 教育学研究科 修了。専門は江戸の初期俳諧。 総合広告会社(博報堂DYホールディングス)を経て、2014年兵庫県神河町に移住。2015年起業。2020年より株式会社OFFICE KAJIYANO 代表取締役 俳句結社「姫路青門」所属

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