とりあへず食らひて寝たる土用凪


ヤギのいる生活。

「何のために」を考えすぎる癖のある人にオススメのパートナーかもしれません。


ヤギは何を考えている?

 

「目的は?」

「なぜ?」

仕事柄、日々心に浮かぶ問いです。

 

ビジネスにおいては、一応の答えを手繰り寄せて提示しなければいけません。

ただ、彼女たちはそこに関心のベクトルが向かっていない気がするのです。

 

そう、ヤギのメエの話です。

 

一昨年の秋にやってきて、気づけばもう1年半以上を共にしてきたパートナー。

わたし個人はペットをちゃんと飼った経験もなく、人間と動物が毎日朝から晩までいっしょにいる生活を、いまだに不思議に思うことがあります。

 

習性はおよそ分かってきたものの、未知数なのがその脳内。
(人間でも、相手の考えていることがわからないのだから当然は当然?)

食べる、寝る、排泄・・・これらはまだしも、もっともミステリアスなのが、反芻しながら小屋の上に座っている時間の頭の中です。

雨で草を食べに行けない日は特に。

 

食べた草のことを思い出しているのか、きょう相手してくれたお客さんたちを思い出しているのか。

 

飼い主として観察する範囲では(いっさい根拠はありませんが)、なんとなく近い記憶をたどっているような感じがします。

あるいは、気候や湿度、外敵の存在など現在の身の回りのこと。

未来のことを考える、あるいは心配する、という気持ちを持っているのか、もし翻訳コンニャクが手に入ったらメエに聞いてみたいです。


敵は内にあり!?田んぼの救世主破壊者メエ

 

「あれ?なんでここだけ稲がないんや!?」

田植え機で植えたあと、深水に浸かってしまい手植えし直したゾーン。

他と比べると、多少は背の低い苗でしたがどうにも短すぎます。

 

よく見ると、一面すべて、同じくらいの高さに不自然な切れ跡。

 

「あ。メエや・・・」

 

どこにぶつけて良いのかわからないフラストレーションが、体の内側から湧き出てきました。


ヤギは基本的に水を嫌います。

田んぼに水を張っていた時期は、イネには見向きせず畦の草をムシャムシャ。

 

ところが水を抜いて中干しの時期に入ってからは、田んぼ全体がメエのフィールド!

土がひび割れるほど硬くなったのを良いことに、どうやら畦シート越しに出穂直前の苗をけっこうな勢いで食べてしまったようです。

 

メエを責めても仕方なく、農業ノートに悲しい反省記録を記しました。


メエが発するメッセージ

 

飼い始めた動機を思い返すと、妻は「ヤギ飼いになる」が夢

わたしは少々実利的に、畦や畑の除草効果への期待。

 

前者は間違いなく果たされました。

問題は、後者です。

「届く範囲の、食べたい草を食べる」というヤギの習性を、人間の生活や農業にどう役立てるか。

全国山羊ネットワーク(実在組織)の一員として、日々研究中です。

 

期待された働きもせず、気持ち良さそうにだらしなく寝そべる姿。

いろいろと言いたくなってしまいますが、もしかしたら

「生きているだけで幸せ(満ち足りた状態)

という悟りのメッセージを体全体から発しているのかもしれません。

 

↓新妻聖子さんが情感たっぷりに表現するアンパンマンのマーチを思い出しました。

 


今日の一句

とりあへず食らひて寝たる土用凪

とりあへず くらひてねたるどようなぎ

季語:土用凪(夏)

連日30℃を越す土用のさなか、無風。

こんな日は、食いしん坊のメエもさすがに食べることすら億劫そうです。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です