築150年の家屋で暮らしはじめてから、ときどき不思議なことが起こります。
肥料もやらずほったらかしにしていたのにキュウリが大量に生ったり、小鳥が一斉に鳴き出すと、きまって良い出会いや知らせがあったり。
人間には分からない機微が、自然の中にはあるのではないかと思います。
なぜか大量の柿が生りました。
9月の中頃、納屋の裏にある大きな柿の木が、ぶどうのように沢山の実を付けていることに気が付きました。
「そろそろ収穫しないと!」と思いながら、ここ最近何かと予定が詰まっていて(一時期に比べれば本当にありがたいことです)、なかなか腰を据えて作業する時間を作れません。
ご近所さんからも「あんたとこの柿の木がこんなにようけ生ったん、見たことないわ」と驚かれ、「そうですか!?早く取らないと~って思ってるんですけどなかなか・・・」と言い訳を口ごもったときに「家も喜んでんのとちゃうか」と言われ、はっとしました。
「あ、有り得る!」
ちょっとオカルトチックですが・・・
この家で暮らし始めてからというもの、
・神棚を掃除したら問い合わせの電話が鳴る。
・玄関を清めていたら思いがけず知人から嬉しい知らせが来る。
など、「もしかして、今、見てました?」的な場面は少なくありません。
非科学的な単なる思い込みかもしれないけれど、日々、「しゃんとせなあかん」と思う動機になっているのは確かです。
色んな方に助けて頂いてばかりの頼りない私たちですが、この住まいとご先祖様にとっては、何にせよ久しぶりの住人。
どうやら悪い気はしていないようだと胸をなでる今日この頃です。
今日の一句
住まい継ぐ 夫婦迎えて 柿たわわ
すまいつぐ ふうふむかえて かきたわわ
季語:柿(秋)
枝がしなるほど、たくさんの実がついている様子を、下七「柿たわわ」と結んでみました。(句会で選をいただき、12月の「広報かみかわ」に掲載されました)
嬉しいエピソードがひとつ。
収穫直後、大量の小粒柿をどうしようかと思っていた時に、お世話になっている神河町杉のカフェ『楽や』オーナーの高橋陽子さんとお会いする機会があり、お店で何か役立てて頂ければとお譲りしました。その際に、リクエストされて詠んだのがこの句。
すると程なくして、「とっても甘くて美味しかったので、縁起も良いし貴士さんの俳句も付けて、『夫婦柿(めおとがき)』みたいな名前でうちで販売されたらどうですか?」と素敵なご提案を頂きました。
残念ながら私たち夫婦にそれ以上のネーミングが浮かぶことは無く、アイデアをそのまま頂戴して、7個入りの詰め合わせを『柿たわわ』、2個つがいのものは『夫婦柿』として、『楽や』さんの出口そばに置いて頂けることになりました。
陽子さんは、スキマ時間に読めるよう車の助手席に本を置かれているほど多忙なのに、いつお会いしてもキラッキラの笑顔。そして仲間やお客様との「ご縁」を本当に大切にされているなぁと感じる方。
私たちも、日々のご縁に感謝しながら、今種を蒔いていることがたくさん実をつけ「たわわ」になるように、地道に進んでいきたいと思います。
今日は月曜日♪と、「原点諧記」を拝見しましたら、皆様より、一足早く、馴染みのある句に出逢え、嬉しくなりました。
柿が、たわわに生りはじめた頃の光景が目に浮かぶようで、あったかい気持ちに…
そして、読み進めると、まさかのご紹介をしてくださっていて、ありがとうございます。
さんきらさんでの時間が、自然と笑顔にさせてくださる、キラキラした素敵な時間なんだと思います。
また明日も、お二人が、素敵な笑顔とお出逢いになれますように…