このブログではおなじみの(?)、神河町のオフィス兼コワーキングスペース『kajiyano』プロジェクト。
都会型コワーキングとの大きな違いのひとつは、庭の存在です。
シンボルツリーの桜を大切に。
小屋の正面にそびえる桜の木が今年も立派に咲きました。
おそらくヤマザクラの一種で、樹齢は少なくとも60年以上と思われます。
(義母の幼いころの記憶ではもっと細かったそうです。)
姫路城に代表されるような鮮やかなピンク色のソメイヨシノとは異なり、紅が淡く、花弁と葉が一緒に出てくるのが特徴です。
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」
と言われますが、桜は絶対に切ってはならないという訳ではなく、切り口から腐りやすいので注意せよという意味。
断面に防腐の工夫を施したうえで弱った枝を切れば、むしろ木は元気になるそうです。
とはいえ、そのあたりは素人判断では危険!
谷間の家さんきらの庭園を手入れして頂いている庭師さんと相談した結果、桜が咲き終えてから剪定をしてもらえることになりました。
<参考>「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」とは言うが……(言語郎-B級「高等遊民」の妄言)
「庭」という楽しみ
kajiyanoは、地元民、観光客、移住検討者すべてにオープンな場所。
となると、気軽にふらっと立ち寄れるような導線づくりが求められます。
いわゆるランドスケープデザインです。
”オアシス”を持ち込む必要のある都会とは違って、ここでは苔をはじめさまざまな自生の植物が根付いています。
せっかくならそれらを生かして庭をデザインし、直接触れられるような体験型ガーデンを作りたいと考えました。
プロデュースをお願いすることになったのは、この道30年のプロフェッショナルである風雅舎の加地一雅さん。
書籍も複数出版しておられる業界の重鎮です。
「庭は心を豊かにしてくれるもの。人生を豊かにしてくれるもの。」
「たとえば生活の中で土に触れることがない子どもは、虫がいたら怖い、土がついたら汚いという感覚になる。本来であればとても不自然な状態」
言葉の端々に、自然への愛と現代社会への問題意識がにじみます。
風雅舎さんにとって古民家の庭づくりは今回がはじめて。会社としても新しいチャレンジなのだそうです。
加地さんの夢は、庭を楽しむライフスタイルを次世代に受け継ぐこと。
この場所がそのきっかけのひとつになれば良いなと思います。
※着工は初夏以降の予定です。
今日の一句
山鳩も 庭の客なり 春の虹
やまばとも にわのきゃくなり はるのにじ
季語:春の虹(春)
あたたかくなると、庭にやってくる鳥が増えます。
何に誘われたのか、雨上がりの淡い虹の彼方から山鳩もやって来ました。