風は思いがけない方向から吹くこともあり。
異国の地のクリエイターが長谷に登場しました。
長谷にカナダ人がやってきた。
「あんた、英語しゃべれるか?」
「いえ、読むことは多少できますが・・・、ようしゃべりません」
「なんや、そうなんかい。ほなええわ」
先週のこと。長谷の家を買ったカナダ人が現地にやってくるので通訳を探しているという相談でした。
直感的に面白そうだなと思いましたが、残念ながら英会話には自信がありません。
「いつか出会えたら良いな」と、想像をめぐらせました。
数日後の土曜朝。
出かける道すがら、隣村に入ったあたりでスタイリッシュなレザージャケット姿の外国人とすれ違いました。
「こんなところをひとりで歩いているなんて、珍しいな」
1時間ほどして、妻が慌てたようすで電話を掛けてきました。
「カナダの人が来たわ!全然日本語しゃべれへんのや。どうしよう〜」
わたしはすでに現地。
「あぁ、噂の人か!とりあえず連絡先聞いておいて」
「はい・・・」
東南アジアやインドの旅行や滞在経験を生かして(?)なんとかコミュニケーションはとれたようです。
新しい人が地域にやってくる、そこに住む。
今でこそ地域の皆さんにあたたかく接していただいて村の一員として過ごすことができていますが、ここに来た当初は本当に不安でいっぱいでした。
一方で、もしかしたらそれ以上に、村の人たちも不安だったのかもしれません。
移住を決意する人と地元の人、双方にとって勇気の要ることなのだと最近思うようになってきました。
その両方の立場を想い、少しばかりの経験を持った人間として、新しく地域にやってくる人のサポートができたら。
kajiyanoという場所を作る時に考えていたコンセプトの一つでもあります。
Danielは、カナダ人のデザイナー/アーティスト。
現在のクライアントは基本的にカナダの企業や個人。
オンラインでの仕事も可能なため、しばらくはカナダと長谷を行ったり来たりしながら、中長期的に移住を計画しているようです。
カナダの寒さが厳しい地域に暮らしており、彼曰くHaseは
「So quiet.」(とっても静か)
「Not cold.」(寒くない)
「Beatiful location.」(景色が良い)
「Near the station!」(長谷駅が近い!)
「But・・・」
困惑気味に彼が指差したのは、家屋に付随する山林のリスト。
思いつきの単語で、冗談めかして発言しました。
「You get mountains!? Congratulations!!」(山が手に入ったのかい?おめでとう!)
肩をすくめながら、Danielが相好を崩しました。
翌日にふれあいマーケット長谷店で『ふれあい喫茶』というイベント(集落持ちまわり。ちょうど大川原が担当)があることを伝えたところ興味津々。
予想どおり、会場に登場しました。
わたしたちは自然薯とろろ飯(名物!)の販売や喫茶の接客などで手が離せなかったのですが、英語が堪能な知り合いの方と引き合わせることができ、地域の方ともいっしょに会話が弾んでいたようでホッとしました。
昔から「三つ子の魂百まで」といいます。
わたしが幼少期に関心があったと聞いているのは「ことば(話す)」「英語」。
なんとなくそれに沿う人生にはなってきていますが、大きく欠けていると感じているのが「英語」。
残念ながら現在は、目の前にいる外国人との日常会話もままならない英語力であることを今回で痛感。
英語、それもちゃんと使える英語をもう一度学びたいと思うきっかけになりました。
また次回、彼に出会えることを楽しみにしています。
今日の一句
極寒の カナダの飴を もらひけり
ごっかんの カナダのあめをもらいけり
季語:極寒(冬)
スマホで見せてくれたカナダの現地気温は「-36℃」。
メイプルの葉をかたどった飴が、ダイヤモンドのように硬く見えました。