秋雨を重たく受けしトタン屋根


山間部の長谷では、ぱらぱらと、よく小雨が降ります。

特に今年の夏は大雨が続き、湿気やカビとの戦いに明け暮れましたが、ここ最近は日照りが続くことも多く、畑がちょっと心配になる時もあるぐらいです。ですので、雨音で目が覚める日は「外仕事、出来ないなぁ・・・」とも思いつつ、何だかほっとします。


イメージを言葉にするのが俳人なら、イメージを音像にするのがミュージシャンです。

ビートルズの「Rain」(『paperback writer』のカップリング曲です)は、数あるビートルズの曲の中でも際立って”映像的”な名演。

ビートルマニアの間では、ドラマーのリンゴ・スターによるベストパフォーマンスのひとつとして知られる曲ですが、何度も聴き返していると、ギターの湿り気ある音色と微妙な和音、水たまりをどぶんと跳ねるようなベース、ジョンのけだるい声にまとわりつくようなジョージとポールのハーモニーまでもが「雨」っぽく、とりわけリンゴのドラミングは水しぶきが眼前に浮かぶようです。

この不思議な一体感が生まれるのは、雨の多い国・イギリスにおける「rain」のイメージを4人が共有しているからでしょうか。

 


今日の一句

秋雨を 重たく受けし トタン屋根

あきさめを おもたくうけし とたんやね

季語:秋雨(秋)

初案は、「秋雨の囃し立てたるトタン屋根」

吹きぬけの板間で食事をしていると、「タタタン、タン」と雨がはじける音が耳に止まり、そのリズミカルな響きはまるで祭り囃子のようだ、と感じたのです。

ところが、これを句会で発表した際に、先生から頂いたアドバイスが「秋雨は、しとしと降る」

「秋雨」に「賑やかさ」はなじまないという指摘でした。そんなやりとりを経て、一滴一滴がずしりと重みをもち、屋根に染みこんでゆくような質感をふくませて中七「重たく受けし」となったのです。

耳をそばだてれば、雨の日もまた楽し。


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