ご縁あって、母校・姫路市立姫路高校で講演をすることに。
自分の歩みを振り返る機会にもなりました。
OBとして、出身高校へ。
今回、出演のご依頼をいただいたのは、母校である姫路高校で生徒会と進路指導部主導により平成25年より行われている『Dream Worker』というプロジェクトです。
“Dream Worker” という名前には、夢に向かって努力している人たちのように、自分たちも頑張ろう!という思いをこめました。私たち学生にとっての “work” とは、”勉強” や “部活動” です。このプロジェクトを通して、夢に向かうモチベーションをより上げたり、夢を見つけたりして、自分たちも “Dream Worker” になれたら!と考えています。この企画は、様々な職業の方を講師としてお招きし、私たちの将来の「種」になるようなお話をしていただこう、というものです。(姫路高校HPより)
初回のゲストは、元プロ野球選手の福本豊さん(!)。
以後さまざまな分野からゲストを招き、回が重ねられています。
このような身に余る舞台に立つことになったきっかけは、なんとテニス。
町内のテニス協会で知り合った現役の市姫の先生がこのブログを読んでくださり、
「山口さんの仕事やこれまでのストーリーをぜひ生徒たちに話してほしい」
とお声がけくださったのでした。
(恐縮ながら、過去の全記事を読破してくださったそうです)
ありのまま、話す。
高校生に向けて、自分の今の暮らしやこれまでの歩みをどう伝えるか。
もちろん経験もないことで、大いに悩みました。
プロジェクターは用意してもらえるとのことだったので、仕事にかんする写真や説明などをペタペタとパワーポイントに貼り付けて構成を考えていったのですが、途中段階で妻に見てもらったときに
「貴士くんの想いが伝わってこないかも」
と言われ、はっとしました。
はじめて出会う相手に対するプレゼンテーション、飾ろうと思えばいくらでも飾れます。
ただそれでは「へぇ~、そうなんですね」で終わってしまうかもしれません。
「どんな仕事をしているか」ではなくて、「どんな風に生きてきのたか」。
頭の中で振り返りながら、目の前の人へ話しかけるように自分の中から湧き出ることばを連ねていく作業。
両親との衝突、上京してからの紆余曲折、入社してからの葛藤、教員採用試験における戸惑い、独立後の試練・・・などなど。
自分自身も目を背けたくなるようなことも少なくありませんでしたが、不思議とどこか癒されるものがありました。
在校生との交流を通して
過去の実績から「参加者はだいたい10名~15名くらい」と聞いていたのですが、当日ふたを開けてみると、会場にはなんと約60名!
母校の卒業生で年齢も近いということで、参加しやすかったのかもしれません。
生徒会をはじめ生徒の皆さんの真剣なまなざしを感じながら、約1時間、これまでの人生のターニングポイントとなった「人との出会い」を中心にお話しました。
質疑応答のコーナーでは、いろいろな角度から質問が飛んできました。
「コピーとか俳句をどうやって考えるんですか?」
「広告の勉強って、どうするんですか?」
「受験勉強で集中できないときはどうしましたか?」
「”変わりたくない”という気持ちが強いんですけど、どうしたら良いですか?」
「地方創生には何か関わっておられますか?」
ときにしどろもどろになってしまったのは言うまでもありません。
「こんな話もできたら良かったな」
「あの質問に対しては、もっと丁寧に答えてあげた方が良かったかな」
反省を胸にしまいつつ、過去を振り返りつつ未来の夢を考える「原点回帰」な一日となりました。
今日の一句
薫風の 立ち去りがたき 母校かな
くんぷうの たちさりがたき ぼこうかな
季語:薫風(夏)
カーテン越しに心地よい風が吹き込む午後のひととき。
生徒会の皆さんや先生方の笑顔を背に、ゆっくりと校舎をあとにしました。