吊るしたるものさまざまに狩の宿

記録的な豪雪に見舞われた冬を経て。

春先の稲作に向けて、仕込みが始まっています。


有機農業チーム、本格始動。

 

「農業が商売になるかどうかは、販路が作れるかどうか」

と聞いたことがあります。

昨年チャレンジした有機米づくりの収穫量は、前年に比べて約50%近い減少。

雑草の管理がうまくできなかったこともあり、周囲からの評価は散々でした。

しかし

「有機米へのニーズは確実に存在している!」

「少々高くても、安全にこだわったおいしいお米が欲しいと思っている人がいるはず」

とわたしたちは信じています。


そんな中、昨年の秋口にグッドニュースが飛び込んできました。

有馬温泉の旅館から、大量の受注(リクエスト)が入ったのです。

きっかけは、地域に有機農業チームの人のツテ。

知り合いの旅館主が長谷の有機米の味に感銘を受け

「3トン欲しい。生産できる分だけ売ってくれないか」

という申し出があったのだそうです。

買い取り金額は、通常のお米の約1.6倍

なかなかの大口受注です。


しかし、現在の体制では絶対的な量が足りません。

大川原の有機農業チーム3農家でつくる田んぼは、今年で少し増えて計7.6反。

1反あたり400kg穫れてすべてを出荷したとして、1.2トン弱です。

「これでは全然足りない。もっと仲間を増やさなければ!」

ということで、わたしたちよりも一年早く有機稲作にトライしている隣村の農家さんにも協力を要請。

今後も少しずつ輪が広がっていけば良いなと思っています。

(山口家としてはkajiyanoでの販売をもっと伸ばしたいのが本音ですが・・・)


やっと雪も溶けて作業ができるようになり、5月の田植え後に使用するぼかし肥料を作ることに。

すっかりおなじみとなったセメント用ミキサーに魚粉や米ぬかを入れて、せっせと作業。

今回は、田植え後に入れる分を作ったのですが、3人で実に500kg!

あまりピンとこないかもしませんが、かなりの量です。

しかし助っ人にも助けられ、午前中に始まった作業が16時ごろにはすべて完了。

回を重ねるごとに作業が効率化し、スピードアップしていることを実感しました。

 

終了後には、お決まりの(?)ジビエBBQ

メンバーである猟師さん提供の猪肉鹿肉をつつきながら、去年振り返り&今年の作戦会議で話に花が咲きました。

最近はオフィスワークと会議に追われているので、ほぼ一日こうして外で過ごすことが新鮮で贅沢に感じられました。

昨年はついつい田んぼのことが後回しになってしまった反省があるので、今年は生活の一部に組み込んでできるかぎり愛情を注ぎたいと思います。

(上手に出来るかはまた別の話です・・・)


今日の一句

 

吊るしたるもの さまざまに 狩の宿

つるしたる ものさまざまに かりのやど

季語:狩の宿(冬)

布きれ、ハサミ、そして肉。

マタギの小屋に吊るされるものには、マタギの生活の香りが漂っています。

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