着想の跡も愉しき鰯雲


来年で起業5周年。

ここだからこそできる仕事のあり方を考えています。


広告の「業」

 

「どんな仕事をしてるんですか」

怪訝そうに(と感じてしまう)そう聞かれるたびに、答え方を毎回思案します。

間違いのない一つのキーワードは「広告代理店です」

具体的には

「経営者さんのお話をお聞きして、課題解決に向けた広告活動を提案すること」

いちおうのパターンです。

 

年々クライアントが増え続け、現時点で定期契約だけで約15社。

業務の比重は各社様々ですが、意外と需要があるものだなと驚くような気持ちにもなります。
近々求人を出します。

 

広告業界の仕事は、お客さんの商売あってこそ。

製造業のように仕入れや在庫を持つわけではなく(広告物の在庫は抱えますが)、商品カタログからセールスするわけでもなく、クライアントとの対話から必然的に求められる手法を論理的に提案し、実行していく仕事です。

 

究極的に、ひとつの構造が色濃くなります。

それは、いわゆる「クライアントファースト」

 

作り手が先導するわけでは決してなく、クライアントの発展や売上増に寄与するにはどうすれば良いか。

常にそこが出発点となります。

 

私はディレクターなので、クライアントと作り手の間のポジション。

営業出身と言うこともあり、どちらかというとクライアント寄りのスタンスであることは自覚しています。


信頼できる会社や人からの紹介のみでここまで来ているので今は問題ありません。

ただ仮に、

「この会社のビジネスを応援するわけにはいかない」

「本当は効能の無いこの商品を売るなんて・・・」

そう思ってしまう事態になったらどうしようか、と時々考えます。

 

根っこは、なかなかに深いと思います。

例えば、芸能人やお笑い芸人がクライアントからのCMオファーを受けた場合。

断る理由は、引き受ける理由ほどたくさんあるでしょうか?

 

今回のオリンピックのように、スポンサーの意向によって、スポーツ競技やイベントそのものが形を変えることも起こります。

「お金を出すのはクライアントだから」

一般的に、業界の最強ワードと言っても良いかもしれません。


ローカル広告代理店の可能性

一方で。

兵庫の、姫路の、ちょっと北の長谷を拠点に営む小さな広告代理店。

 

東京の総合代理店に比べると経営者様との距離が驚くほど近く、ダイナミックで本当に面白い仕事だと実感してきています。
最近になってようやく、この仕事を「好き」だと言えるようになってきました。

得意先の期待に応えるという意味ではもちろん「クライアントファースト」。

ですが最近は、主-従の関係とはちょっと違う「並走の関係」とでもいうべきものに変わってきつつあるように感じています。

ときには経営コンセプトと現状の乖離を指摘したり、商品のネーミングに言及したり・・・

差し出がましいことは重々承知ですが、本来的に、その会社にとってベストな広告活動を考えていくことは、その商売の本質をいっしょに考えることでもあるのではと思っています。


来年で、起業5周年。

「学部と院で学んだのは、教育とは良いところを見つけて、伸ばすということ。ぼくは広告の世界でそれをやりたいんです」

目を輝かせて面接でそう語り内定をもらったのに、一度は諦めた広告の仕事。

今また携われていることに感謝して、原点も理想も忘れず、着実に前進できればと思っています。


今日の一句

着想の跡も愉しき鰯雲

ちゃくそうのあともたのしき うろこぐも

季語:鱗雲(秋)  

トップの写真は、福崎に先日オープンした観光案内所内のコワーキンングスペース隣接のテラス。

アイデアが枯渇しそうになった時に通おうと思っています。


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