ネクタイの結び目正す初仕事


田んぼのこと、畑のこと、住まい繕いのこと。

暮らしのあれこれも気になりますが、”現役世代”として、やはり仕事を第一に考えない訳にはいきません。


階段を一歩ずつ。

この年代で田舎で暮らしていると話をすると必ずといっていいほど

「どうやって生計を立ててるの?」

と訊かれます。


山口貴士事務所のメインの仕事は、播磨エリアの企業/店舗のブランディング支援。

クライアントの事情によってケースバイケースですが、ヒアリングを経てWEB制作、印刷物制作、映像制作、SNS運用サポートなどに派生していきます。

まだまだ経営的課題は山積みですが、今のところありがたいことに案件が途切れることはないのでとりあえず善しとしています。


企業のブランディングに携わる立場として、いちばんに心がけているのはお話をじっくり聴くこと。

そして、最後まで手を抜かないことです。

ビジネスなので予算内で出来る限界はありますが

「ここまでやってくれるとは思わなかった」

と言ってもらえてこそだと思っています。

じっさい昨年には、

「この請求額では納得できない(金額が低すぎる)

となぜか会長に叱られ(?)請求書を出しなおすという奇特な経験もしました

(その後、定期コンサル業務に移行)


ただしお客さんがご満足されたからといって、即座に次の仕事を紹介してらえる訳ではありません。

毎回、受注案件が区切りを迎えるたびに

「これからどうなるんだろう」

と、妻とふたり不安な気持ちでいっぱいになり、不安が強い場合はお気に入りのビールが買い控えられるなど生活にも影響が出てきます。

ところが不思議なもので、ひとつ試練を乗り越えたと思ったら、入れ替わるように、別のところからもう一段ハードな試練がやってくるということがしばしばあります。

「この仕事はちょっと無理かも・・・」

と心の中で思いながらも必至に食らいついていくと、ある瞬間、光が見えてくる。

そんな、心臓には良くない生活が続いています。


正念場到来

秋口には年末年始でひと段落する予定だったのですが

「相談したいことがあるので食事でも」

とおっしゃる某経営者様と年明けにお会いしたことで、事態が急転。

 

「5年後、10年後にわが社が生き残るためのブランドリニューアルを考えてまして・・・」。

 

想定外のスケールに、穴子の白焼きを掴みかけた箸が止まってしまいました。

 

起業当初は考えられなかったような状況に、感謝と戸惑いが行ったり来たり。

昨年思うように手入れができなかった田んぼの夜景を見つめながら、今の生活の不思議(と若干の無理)を想うのでした。


今日の一句

ネクタイの 結び目正す 初仕事

ネクタイの むすびめただす はつしごと

季語:初仕事(新年)

正月明け、やや手になじまないネクタイをキュッと結び直して。

気持ち新たに、長谷を発ちました。


兵庫県姫路市生まれ。早稲田大学大学院 教育学研究科 修了。専門は江戸の初期俳諧。 総合広告会社(博報堂DYホールディングス)を経て、2014年兵庫県神河町に移住。2015年起業。2020年より株式会社OFFICE KAJIYANO 代表取締役 俳句結社「姫路青門」所属

2件のコメント

  1. この文章を読んで、最後にもう一度、ネクタイの句を読むと、いっそう味わい深いですねえ。うまいなあ、構成も。見習おうっと。

    1. 六四三さま
      身に余るお言葉、恐縮です。
      このブログも3年目に入り、文章も俳句も毎回乾いたタオルを絞りだすような状況で。。。
      応援が励みになります。これからもどうぞよろしくお願い致します。

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