新妻や芙蓉のごとき日々のあり


今年の1月に結婚して約10か月。築150年の古民家で、夫婦初めての冬を迎えようとしています。

文字通り、一からの夫婦暮らし。当初は本当に不安でいっぱいでしたが、村の方々をふくめ応援してくださる方も少しずつ現れ、何とか日々を送ることが出来ています。

地元の方と新しく出会う際、相手の顔色がぱっと変わるのは、妻がこの家の子孫であることと、私たちが夫婦とも住民票を移していることを伝えたとき。

この世代の夫婦が移住してきているケースは珍しいようで、「そらええこっちゃ。うちは、息子や孫は街に出て行ってもぅて、ここに帰ってきてくれるかは分からんねぇ」という声が聞かれます。


灯台もと暗し。長谷散策

さて、ここ半年ほど、ご来客と、自分たちの家の片づけや手入れに追われ、案外自分たちが住んでいる長谷地域のことを知らないなぁと実感している私たち。この間も、絶品のお豆腐を週3日だけ販売しているお店を教えてもらいましたが、まだまだ近場で知らないところが沢山ありそうです。

そんな訳で、あてもなく周辺の集落を二人で散策してみました。


JR長谷駅周辺の(くり)地区を走っていると、坂の上に気になる素敵な空き家を発見。

道の脇に車を停めると、「何か?」と、正面からやってきたご婦人に声を掛けられました。実はそのお隣の方で、代々周辺の山を管理されておられる地主の奥さん。

最初はちょっと訝しがっておられる風でしたが、「大川原の『かじやの』の子孫で、4月から夫婦で暮らしてるんです」とご挨拶すると、「あら、まぁ!あのあたりは関電のPR館が出来たときによく通ってねぇ・・・・」と一気に雰囲気が和み、平成初期の大河内発電所建設期、関電社宅のあった長谷駅前が賑わっていた様子など面白い話を沢山教えてもらい、最後は栗の神社のお祭りに誘われました(笑)

その後、為信(ためのぶ)地区にて、棚田や山を管理されている、これまた地主さんと出会う不思議な一日でした。

時間が出来てもついつい二人で家の中に籠ってしまいがちですが、バランスを取りながら、自分たちの目と耳で、四季折々の長谷を知っていきたいと思います。


今日の一句

新妻や 芙蓉の如き 日々のあり

にいづまや ふようのごとき ひびのあり

季語:芙蓉(秋)

芙蓉(ふよう)は、平安の頃から日本人に親しまれてきた、アオキ科の落葉低木。「蓮」の美称でもあり、その場合は水の中に咲くものを水芙蓉、地上に咲くものを木芙蓉と呼び分けます。

芙蓉は、初秋頃の朝に淡い紅色もしくは白色の五弁の花を開きますが、夕方にはしぼんでしまいます。その「変化しやすさ」はまるで、男性がきっと一生理解はできても実感はできない女性の心の動き。

出口が見えないような夫婦喧嘩の日も、ひと晩明ければ、透き通るような淡い花がぱっと咲くように、また新しい一日が始まります。

P.S.

「新妻」と呼べるうちに新妻の句を詠んでおきたいと思っているのですが、「新婚さん」は最初の結婚記念日まででしょうか?タイムリミットが迫っている気がします。


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