しずかなる風にふらここ揺れにけり


「神河町にコワーキングスペースを作りたい!」

声に出して発信するになってから、少しずつ状況が動き出してきました。


「コワーキングスペースです。」

「次は何をやるんや」

村の人からもしばしば聞かれるようになりましたが、ひとことで言い切るのは勇気が要るものです。

というのも、移住した当初は、リラクゼーション部門のほかにゲストハウスや塾事業の展開を検討していた時期もあり、その際に周りの人を振り回してしまった苦い記憶があるからです。

間違いなく言えるのは「人が集まる場所」なのですが、これではあまりにも漠然としています。

一般的な呼称としては、カフェなのか、コミュニティスペースなのか、それとも・・・。

たどり着いた答えが、「コワーキングスペース」でした。

画像はイメージです。
画像はイメージです。

日本で最初に誕生したコワーキングスペースは、神戸のカフーツさんだといわれています。

ときは2010年。

そこから加速度的に店舗が増え、2014年なかばには350店舗を超えたようです。

続々とスペースが増える一方、最近では閉店するところも出てきています。

iphoneに例えると、iphone5くらいのところでしょうか。(根拠なし)

iphone-iphone5-colors
iPhone5

「コワーキングスペース」というコンセプトだけで価値が生まれる段階は過ぎ、「どんなコワーキングスペースなのか」が問われるようになりつつあると感じています。

詳細はまだ明かせませんが、2016年秋オープン目標の『kajiyano』は、「この場所で」「山口夫婦がやる」からこそ出来る複合的な場にしたいと思っています。

もちろん、軸はコワーキングスペース

この場所で構築できる最善のネット環境の調査やIT設備の導入準備を進めています。


みんなのために?自分のために?

なぜコワーキングなのかという理由のひとつは、自分がそんな場所を欲しているからです。

神河町の自宅で仕事をしている日は特に、外とのつながりが無くなりこもりがちになります。

というのも、これだけ自然豊かな環境で暮らしているのに、寒さ対策で作業スペースの戸を閉めてしまうため仕事中は景色が見えなくなるからです。

また、わたしたちが暮らす母屋は奥まっているため、外のようすが分かりません。

そのため、半オープンなわたしの神河オフィスとして自然を満喫しながら仕事ができる施設を設ければ、自分にとってプラスになるだけでなく、都市部から訪れる若い人や地域の人の交流拠点にもなり、化学反応やコミュニティが生まれるきっかけになるのではと考えるようになりました。


役場とタッグ!?

以前の記事にも書きましたが、建物の設計を依頼するのは、姫路でコワーキングスペースmoccoを営む1級建築士の梶原さん。

そして施工については、約10年前に現さんきらの母屋と離れを修繕してくださったタナカ建築の田中さんにお願いできることになりました。

兵庫土建組合旧大河内分会の会長を務める田中さんから

「もしかしたら、町として何か支援策があるかも分からん」

とご助言をいただき、一緒に地域振興課へご相談に伺うことに。


概要書をもとに課長へ説明(プレゼン?)すると、「移住の窓口になるかもしれない」という点と「かじやの」という名前に反応されたようす。

なんでも、長谷ダム建設の関係で蘆田邸にたびたび来られたことがあるそうで、

「kajiyanoって、あの”かっじゃの”のことか・・・」

と懐かしがっておられました。

IMG_20140603_0010
かつての大川原集落風景(撮影年月不明)

プロジェクトの趣旨にも共感してくださったようす。

「こんなことをやりたい!という情熱のある地域の方を応援するのが役場の仕事です。サポートできる方法がないか確認しますので少々お時間ください」

という嬉しいお言葉を頂きました。

(その後、さっそく地域創生担当の方に相談してくださったそうです。)


しかし年度の終わりということもあってか、回答は「現時点では予算内に充当する可能性はないのですが、今後の支援策を検討します」

もちろん現時点で具体的なサポートがあれば嬉しかったのですが、役場の中でも応援してくださる方が現れてきていることは大きな励みになります。


あくまで前向きに。

昨年、神河町の総合移住促進総合パンフレット制作にあたり、住民向けに用意されている支援策をひと通り勉強しました。

すると、

「中学生以下の医療費無料」

「第2子目以降の保育所・幼稚園保育料半額。第3子は無料」

といった子育てサポートをはじめ、その充実ぶりは想像以上!

(逆にいうと、このPRが今後の課題ともいえます)


移住や改築に対してもさまざまなサポートが誕生しているのですが、山口夫婦はことごとく当てはまりません。

  • 町外から神河町へのUJIターンを促進するため引越し費用など移住に係る費用を支援。

× 「転入日から起算して1月を経過していない者で、引き続き10年以上神河町に居住する、又は居住しようとする方」

  • 平成28 年4月より、ケーブルテレビ加入負担金(10万円)を免除。 

× 住宅の「新築・購入」に付随する契約のみが対象。

  • 若者世帯が住宅を取得する場合、その取得費用の一部を補助。

× 「新築及び増築又は建売り(空き家等中古住宅含む)物件」

ただ、もしサポート態勢が万全の状態で移住してきていたら、今と同じ熱量と覚悟は持てなかったかもしれないとも思います。

背中を押してくれる人の顔を想いうかべつつ、そんな強がりを言いながら気を引き締める日曜の夜です。


今日の一句

しずかなる風に ふらここ揺れにけり

しずかなるかぜに ふらここゆれにけり

季語:ふらここ(春)

俳句において、”ぶらんこ”は「ふらここ」あるいは「鞦韆(しゅうせん)」と詠まれます。(鞦韆の由来は中国の行事)

目に見えないわずかな風が吹けば、ぶらんこはゆらゆらと揺れはじめます。


兵庫県姫路市生まれ。早稲田大学大学院 教育学研究科 修了。専門は江戸の初期俳諧。 総合広告会社(博報堂DYホールディングス)を経て、2014年兵庫県神河町に移住。2015年起業。2020年より株式会社OFFICE KAJIYANO 代表取締役 俳句結社「姫路青門」所属

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