谷間の家さんきらの周りに かつて植えられていたお茶の木が、ひそやかに、その香りをとどめています。
その季節にしか味わえない味が、確かに在ります。
手づくりの新茶は、大地の香り。
ここ2週間ほど、妻は大忙しです。
というのも、お茶の木の新芽が出てからというもの、仕事の合間に茶摘みとお茶づくりに追われているからです。
昨年は、二人してはじめて土鍋でお茶づくりに挑戦しましたが、今年はなるべく役割分担をするという方針のもと、妻に(なかば強引に)託しました。
村の方に訊くと、作り方は家庭によって微妙に異なるようです。
山口家は、茶葉を強火で煎って揉んで、を繰り返す釜炒り茶式です。
日本のお茶の95%は蒸し製だそうですが、佐賀県の嬉野茶など九州の山間部では釜炒りの方式がとられており、茶葉がひときわ香り高く、透明感のある爽やかな黄色になるのが特徴だそうです。また、カテキンの割合が蒸し茶の煎茶より高いのだとか。
そんな難しいことは抜きにして、驚くほど香りが深く美味しいです。さんきらのお客さまには、この季節限定、先着でご提供!?
「お茶」は誰かがつくるもの
恥ずかしながら、ここで暮らすまで、茶葉がどういう過程を経て「お茶」になるのか知りませんでした。
日頃、ペットボトルや缶飲料に親しんでいると、その原形や加工の過程に想像を巡らせることは容易ではありません。
(そろそろ、「お茶を急須で淹れたことがない」という世代も現れてくるのかもしれませんね。)
食べ物も飲み物も、その過程を一度知ることで、より有難みが実感できるのかもしれません。
なかなか口にするものすべてという訳にはいきませんが、自然のエネルギーを直接からだに採りいれていけたらと思います。
今日の一句
離れ住む 母へ包みし 新茶かな
はなれすむ ははへつつみし しんちゃかな
季語:新茶(夏)
妻と義母について詠んだ句です。
田舎の生家で、娘夫婦が暮らすという心境。きっと複雑なところもおありだろうとは思いますが、何かとわたしたち夫婦のことを気にかけ、応援してくれています。
妻が時間と手間を掛けてつくった新茶の味を、一番喜んでくれるのは義母に違いありません。
昔、お茶の勉強をしていました。
お茶の中では、紅茶が一番好きです。
是非、美味しい紅茶に挑戦していただきたい。
因みに、紅茶も煎茶も茶葉は同じで発酵度合いの違いだけです。
simaさん
茶葉は同じなんですね!紅茶も自分で作れるなんて、なんだか不思議です。妻に話してみます。