ゆっくりとひとつずつ、数を重ねて。
原点諧記200本目の記事です。
ブログを続けてみて感じること
記事200本。
「1日1本更新」を実践しているブロガーさんも少なくない中、ブログサイトとしてはけっして高い壁ではありません。
それでも我ながら「よく続いているな」と思うのが正直なところです。
移住して半年ほど経ったころ、
「なにか発信して状況を変えなければ」
そんな焦りにも似た気持ちから始めた情報発信。
「自分のオリジナリティを出せて、なおかつ続けられそうなジャンルは何か」
たどり着いたのが「オリジナルの俳句1句+関連エッセイ」という今の形式でした。
「週2本」というのが絶妙なペースでして。
諦めそうになっても、
「これを書き上げれば2日(3日)は休み」と思ったり
「2本書いておいたら1週休める」と思ったりもします。
(後ろ向きな表現ですみません)
いちおうブログのネタ帳は付けているのですが、気分的に旬のテーマで書きたいところがあります。
そうなると、どうしても更新日が目の前に迫ってから動き出すことになりがちで・・・。
月曜の夜分、もしくは木曜夜分の更新になることも珍しくありません。
「更新日の朝にチェックしてますよ~」
と言ってくださる(奇特な)方々には本当に申し訳ない限りですが、その応援の声が継続の支えになっていることは間違いありません。
データ管理サーバーの深刻なエラーを経て、画像が掲載できなくなりフォントもちょっと読みにくいものになってしまいましたが、これからも見守っていただけますと幸いです。
原点に還って。
「今だからこそ言える」
ということがらは確かに存在します。
最近になってようやく、移住当初の苦しい時期のことを少しずつ口外できるようになってきました。
「二人で今後どうやって生きていくのか」という究極の問いと向き合いながら、目先の仕事とお金がなくどん底を味わった移住後の約一年。
お互いに公務員の堅実な父を持ち、私立の大学に行かせてもらい、卒業後は給与所得者として生きてきた10代~20代。(妻は自営業+業務提携の期間あり)
少なくともわたしは、この生活に飛び込むまで「真剣にお金に困る」という経験がありませんでした。
現実は残酷です。
仕事が無ければお金がありません。(当然です)
一時はいよいよガソリンを買うお金すら無くなり、ついに陸の孤島状態。
しかし、焦って目先の利益に走っては絶対に「続いていくもの」にはならない。
そう信じて雑草を抜き、何代ものあいだ守られてきた住まいの手入れに心を砕きました。
まさに「貧すれば鈍する」状態に陥っていたその時、救いの神、もとい仏が現れました。
このブログでもたびたび登場している和尚との出会いです。
「近くの古民家を別荘で持っている変わったお坊さんがいる」という噂は聞いていました。
ある朝、離れの手入れをしていると、その方角から聴き慣れないジャズの音色。
何かがピンときました。
「奈央!行くで!支度して!」
大急ぎでそのお宅へ。
顔面ヘルメットを付けて草刈り中の和尚に声をかけると
「あぁ、あそこの家に住んではる人ですか。まぁ上がってください」
と、りっぱな欄間や床の間を備えた二間つづきの居間に通されました。
お話好きの和尚。
恥ずかしい状況をついあれこれ話してしまったところ
「フォッフォッフォ。面白いやつやなぁ~。早稲田まで出てそんな暮らししとるとは本当に人生いろいろや」
「ちょっと庭の手入れが大変でシルバーさんにお願いしようかと思ってたんやけど、君、でけへん?」
と思いがけず仕事を受注してしまったのでした。
仕上がりにも満足していただき、御礼にと焼肉の”お布施”。
それ以後、まるで付き人のようにずいぶんと色々なところに連れて行っていただいています。
人生の節目に立ち会うお仕事だからこその稀有なご体験をされている和尚さま。
雅俗入り混じったお話に、ときに鼓舞され、ときに心をほぐしていただいています。
不思議なことに草刈りの仕事を境に(?)ぽつぽついろんな仕事が入るようになり、ご縁あって事務所を立ち上げ、現在に至っています。
そんな大恩人と先日LINEでやりとりしていたときのこと。
久しぶりに庭の手入れをお願いしたいという用件に加えて
「原点にかえってーー」
というお言葉が添えられていました。
あのころ感じたあらゆるものへの感謝を忘れず。
浮足立つことなく。
謙虚に生きねばと思う、節目の夜です。
今日の一句
山雀の 翔びたつ枝の 撓りけり
やまがらの とびたつえだの しなりけり
季語:山雀(夏)
二年目の冬からわが家にやってくるようになったヤマガラは、なんと夏の季語!
やわらかく飛び立つ鳥たちの姿に、未来への希望を重ねつつ。
私の方こそ感謝しております。これからもよろしくお願いします。
(涙流しながら書いています・・・)
破戒僧より 三拝
コメントありがとうございます。
あのころを想い返すともうずいぶん時間が経ったように思います。
住職も長谷暮らしにどっぷりでしたね。
まっすぐに生きていればこそ、変化はつきものなのでしょうか。。
S邸の手入れが完了しましたらご報告しますね。