百年の薩摩杉より雪落つる

長谷に移住して6年目。事業は5期目。

最初はただただ新鮮だった感覚も、少しずつ変わってきています。


反復と連続の中に見えてくるもの。

 

当ブログの開設は2014年9月。

実は、プロフィールやコンセプト説明文をときどき更新しており、当初は「約10年の東京生活を経て〜新鮮な気持ちを書き綴っていけたら」(正確ではないです)という箇所があったのですが現在は別の表現にしています。


「なんで自分はこんなに何年もやってるのに覚えられへんのやろうと思ってたけど、ちょっと救われた!」

森下典子さんの『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―』という本を読み終えた妻が、興奮気味に話しかけてきました。

 

妻は茶道をはじめて5年。(表千家)

毎週お稽古に通いつつも、できなかったことに目が行き、なかなか成長している実感が持てない。

けれど著者のメッセージを受け取り、茶道において自分が今いる場所をポジティブに捉えることができるようになったようです。

「何年も同じように続けていくことで気づきがある」

「人と比べてどうではなくて、前の自分と比べると前感じられなかったことが感じられるようになっている」

「前分からなかったことが、突然ひとつずつ分かってくる」

 

「だから、村の暮らしも、何年も同じように続けていくことで気づくことが出てくるんかもしれんな」

そう言われて、なるほどと思いました。

毎年同じ行事に参加する中で、その意味や位置づけ、元あった形などがうっすらと見えてくることも最近時々経験しているからです。


一年を見渡すことで、生活の質を高める。

 

今年は、一年を一覧できる記入式カレンダーを事務所の壁に掲出。

「カレンダー市」開催者の役得で入手!

 

例えば4月は、年度始めの集落総会、隣保総会、消防の初出式、苗搬入・・・・

12月は、クリーン作戦、年迎えの準備、年末警戒、歳迎え・・・

 

過去の手帳や農業ノートを確認しながらおよその時期や曜日を書き込んでいくと、1月時点で本業以外の2019年のスケジュールが完成!

密度を再確認しつつも、見渡すことで気持ちのゆとりが生まれました。

年中スケジュール調整で頭を悩ませているのが現状ですが、クライアントとの定例会議も増えてきたので、早め早めにスケジュールを組んでいくことで仕事と生活をさらに充実していけたらと思っています。

俳句にも継続の壁。

先人の膨大な句や過去の作品が存在する上で新しいものを作り続けるのは一種の苦行に思えてしまうこともあります。

本当に気持ちが折れそうになったことも何度かありますが、続けていると一皮むける瞬間を感じることがあります。

惰性ではなく、常に前向きな気持ちで、歩みを続けていけたらと思います。


今日の一句

百年の薩摩杉より雪落つる

ひゃくねんの さつますぎより ゆきおつる

季語:雪(冬)

樹齢100年以上と思われる大きな杉の木が雪で真っ白。

空が明るくなり、気温が高くなってくると、溶けた雪がドサッと落ちてきます。

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