1月11日。
隣保の新年最初の集いである「伊勢講」が行われました。
伊勢講とは
「次は年明けの伊勢講の集まりですね」
大歳神社での年迎えの際にそんな会話を交わしていましたが、そもそも伊勢講とは何なのか良く分かっていませんでした。
先輩方に聞いたところ、大まかな流れは以下の通り。
①くじ引きで3人の「元伊勢」代参人(世話人)を選んでおく。
②年が明けたら、村人を代表して世話人が「元伊勢」へ新しいお札を取りにいく。
③後日、村の集会所にちいさな社をつくり、そこに新しいお札を添える。村人にとって健やかな一年となることを祈ってお神酒を飲み、ご馳走を食べる。=「伊勢講」
「元伊勢」というのは、「伊勢神宮がもとあった場所」という理解で良いようです。
古くは宮中に祀られていた天照大御神が、鎮座する場所を求めて各地を転々とした際に、一時遷座した約25神社が「元伊勢」。
ちなみに、わたしたちの隣保が毎年参拝している大江町の皇大神社は6番目だそうです。
来年の世話人は・・・
当日は11時に公民館集合。
世話人のご挨拶のもと、お神酒で乾杯してから豪勢な食事が始まりました。
そして、来年の世話人を決めるあみだくじ。
なるべく公平になるよう、一巡するまでは一度当たった人を除外してくじを作ります。
本来の「伊勢講」は、「頼母子講(たのもしこう)」や「無尽講」と同様の、村人同士でお金を出し合う互助制度。
かつて庶民にとって伊勢神宮へ参るのは、一生に一度の夢。
参拝の旅費を工面するために「講」の仕組みが活用されました。
くじに当たった人が講の代表者として伊勢へ「旅」をして、ついでに京や大阪の観光もしてお土産や流行を持ち帰ったそうです。
いまでも、神社氏子の共同体で行う行事として名残をとどめている地域があり、わが隣保では昔は年に4度開いていたのを新年1度に集約したそうです。
そんな訳で、めでたく私が当たりました。
村ではじめての「役」、しっかり務めてこようと思います。
今日の一句
伊勢遥か 講に添えたる 蜜柑かな
いせはるか こうにそえたる みかんかな
季語:蜜柑(冬)
平時の「伊勢講」は、一般に気候の良い時期が選ばれるため、実は「春」の季語。
日本酒や焼酎を手に、語り合う来し方行く末。
大きなみかんの皮をむくと、さわやかな柑橘の香りがふっと漂いました。
1件のコメント