「地の者が地のモノを地の人に届ける」。
そんな想いで活動しているグループ「食・地の座」による『味覚の展示場』というイベントが2日間にわたり開催されました。
明治創業の酒造所で、播磨の食材と酒を満喫
『味覚の展示会』は、『播但沿線活性化協議会』代表の小野さんや岩田健三郎さんファミリーがかかわっている恒例イベントです。なんと今年で9回目。
地元で「食」に携わる方々が、地元の食材をなるべく100%使って作り上げた「新作」がずらり。
鶏肉のハーブ焼きや里芋コロッケ、穴子寿司、おでんなどを肴に、播磨の地酒が楽しめます。
会場の灘菊酒造さんは、明治43年創業の老舗酒造所。
一時は存続が危ぶまれた時期もあったそうですが、醸造所のリノベーションやオリジナル名物メニュー『大返し飯』(秀吉と官兵衛にちなんで)の開発、酒蔵見学ツアーの実施など次々と手を打ち、今ではバスツアーの人気スポットとなっています。
どんな食材を、誰から買うか。
「食品」を取りまく環境は、いま大きな転機を迎えようとしています。
姫路の新興住宅地で生まれ育ったわたしにとっては、魚や野菜を買うといえば「とりあえず」当時のウエルマート(のちマックスバリュにリニューアル)でした。
しかし、インターネットモールでの検索購入や専門チェーン、コンビニエンスストアの台頭もあり、イオン系列をはじめ食品スーパー業界は苦境に立たされているそうです。
(少し前になりますが、あのイオングループの本業である総合スーパー(GMS)事業の14年3~11月期の営業損益が、前年同期の57億円黒字から一転、182億円の赤字に転落したというニュースは衝撃的でした)
実感としても「とりあえず、何でもそろう近所の大型スーパーで」という時代は、ゆるやかに終わりを迎えつつあるように思います。
生産者は心から良いと思える食べ物を生産し、消費者は主体的に選び取る。
そんな動きが、大きなうねりになってきそうです。
今日の一句
早春や 播磨びと訪う 酒の蔵
そうしゅんや はりまびととう さけのくら
季語:早春(春)
当日は、まだ肌寒さは残るものの見事な晴天。
威勢の良い播州弁が飛び交う中、老舗の酒蔵の「におい」に包まれながら、播磨の食材と地酒に舌鼓をうちました。