離れる若者もいれば、引き寄せられる若者も。
兵庫の中山間地域・丹波のちょっと変わった会社に、都市部から人が集っています。
スタッフ全員が”移住女子”!丹波発デザインカンパニー
舞鶴若狭自動車道と北近畿豊岡自動車道が交わる「春日IC」を下りて、10分少々。
田園風景を横目に
「道、間違ったかな・・・?」
と思いながら細い路地をゆくと、明らかに異質な黒×木目の建物が右手に現れます。
ガラガラと入口の戸を開ければ、同社が手がけたオシャレな地域PRツールがずらり。
正面には、日本酒好きのスタッフによる考案で生まれたという日本酒女子むけ地酒ギャラリーもあります。
その名も、『株式会社ご近所』。
「人と人、人と環境が身近な関係でつながれ、次世代に受け継がれる”ご近所さん”のある社会」(会社案内より)を目指して2012年に設立された企画デザイン会社です。
かつては男性スタッフもいたそうですが、現在は7名のスタッフ全員が女子。
しかも全員が丹波への移住者です。
2Fのオフィスへ入るとフレッシュな女性陣が笑顔で迎えてくださり、思わずドキッとします。
「これは男性のクライアントが喜ぶにちがいない!」
と確信しました。(軽薄)
ひょうごの多自然地域×IT事業所
ご近所さんを訪れた動機のひとつは、補助金についての相談。
兵庫県が”田舎”へのサテライトオフィス進出を応援する目的で行っている『多自然地域におけるIT関連企業の振興支援事業』というものについてです。
”多自然地域における産業振興や地域の活性化を図るため、県下に整備された超高速・高速通信ネットワークを活用し、多自然地域にIT関連の事業所を開設するIT関連事業者に経費の一部を補助する。”(兵庫県HPより)
<おもな補助項目>
建物改修費:最大150万円(該当経費の1/2)
事務機器取得費:最大50万円(該当経費の1/2)
賃借料:5万円/月、60万円/年
人件費(高度IT人材):100万円/人・年
通信費:60万円/年 等
ご近所さんは、同補助金の交付第1号!
補助制度の実績を紹介するサイトでもインタビューが掲載されています。
神河町は、もちろん多自然地域に該当します。
社長の横顔
申請作業を進めていると色々気になることが出てきて
「社長さんにお話を伺えたらなぁ・・・」
と思っていたところ、ご近所さんに通っているデザイナー・ワタナベケンさんと神河町で知り合ったことでご縁がつながりました。
(本当にいつ何が起こるか分かりません。)
前例が何もない、斬新なプロジェクトの仕掛け人。
そんなベンチャースピリットあふれる人物を想像すると・・・。
たとえば、映画『アイアンマン』のモデルになったといわれるテスラモーターズ社のイーロン・マスク。
あるいは、どこからどうみても都会的でグローバルなショーンK(整形でしたが)。
小橋社長は・・・
とても物腰が柔らかく穏やかな方です。
しかし、そのキャリアはまさに圧巻!
・株式会社ご近所 代表取締役社長
・地域再生アドバイザー(丹波県民局)
・NPO法人gift 理事長 .etc
現在進行形のものだけでも、片手で数え足りません。
人は見かけによりません・・・。
初対面でしたが、補助金に関するアドバイスのほか会社設立の経緯や実制作のノウハウなど会話は多方面に。
貴重なお時間をいただき、多自然地域だからこそできるスペース運営の方法論や広告業務の進め方について大きな気づきを得ました。
(数日後、デザイナー・ワタナベさんとの打ち合わせを兼ねて再度訪問しました)
コワーキングスペースとしても一部開放されているので、お近くの方はぜひ行ってみてください!
今日の一句
朧なる 丹波路にある 光かな
おぼろなる たんばじにある ひかりかな
季語:朧(春)
どこか京都の風を感じさせる、丹波の里。
夜のうるんだ大気に、照り映える光がにじんでいました。