地域住民が株主となって運営する”コンビニ”、『ふれあいマーケット』。
月に一度、集落持ち回りで交流イベントが行われています。
長谷住民の心のオアシス
地域住民の生活の支え、また地域交流のハブともなっている村営ふれあいマーケット。
月に一度、集落持ち回りで行われている「ふれあい喫茶」は、お得なモーニングセット(珈琲もゆで卵も付いて、150円!)や集落それぞれのブース出店が楽しめる地域交流イベントです。
朝10時のオープンとともに、待ってましたと言わんばかりにぞろぞろと村人が集結。
きっと、毎月この行事を楽しみにしている方も多いのだと思います。
(多いときには、午前中だけで約200名もの利用があると聞きました)
大川原集落は例年2月に順番が回ってくるのですが、今年は他集落との調整の結果、1月実施に。
女性陣は前日から仕込み。男性陣は当日朝8時に倉庫に集合して設営を開始します。
まさに集落をあげて「おもてなし」をする一日です。
大川原版「ふれあい喫茶」の売りは、なんといっても「自然薯(じねんじょ)とろろ飯」。
神河町を代表する特産品であり、ふるさと納税の返礼品としても定着している自然薯。
その農家でもある区長の旗振りで毎回おろしたてのとろろが破格でふるまわれるとあって(一人前300円!)、たいへんな人気を集めています。
ところが今回は、前日の夜からあいにくの積雪。
早朝から重機が出動し、まず雪掻きから始めなければいけないような状況でした。
勾配のはげしい地区も少なくないだけに雪の影響はやはり大きく、残念ながらあまり客足は伸びませんでした。
(余り分が”反省会”に回ったのは言うまでもありません)
集落の一員として
イベントの性格上、集落の一体感あるいは集落の個性が際立つこの日。
村の皆さんといっしょにテーブルを運んだりテントを建てたりするわたしの姿を見て
「すっかり大川原の人間やのう」
と、となり村の方がぽつり。
ちょっと複雑な気持ちになりました。
ここに移り住んだ当初は
「早く村の一員として認めてもらおう」
「ヨソモノ扱いされたくない」
という想いが強くありましたが、今は少し違います。
先輩がたから古今のあれこれを学べば学ぶほど実感する、その土地に暮らしてきた人間特有のDNAとも言うべきものの奥行きと深み。
その根が自分とは繋がっていないという事実。
それを受け止め、疎外感をもつでもなく、陰にひそむでもなく
みずからのバックボーンに誇りを持って、自分なりにこの土地で暮らしていく―
先に何があるのかはまだ見えませんが、進むべき道の上には立っていると信じて
あまり答えを急がないようにしたいとも思っています。
”反省会”でもっとも盛り上がったテーマは
「老人」の定義。
「そもそも老人会ゆう名前が気に入らん!」
「後期高齢者なんて言われるのは腹立つんや」
年齢を感じさせぬ張りのある声と、部屋いっぱいに響きあわたる哄笑。
「あぁ、やっぱりこの村が好きだなぁ」
ふとしたときに、感じます。
今日の一句
雪片や 口伝えの 昭和の記憶
せっぺんや くちづたえの しょうわのきおく
季語:雪片(冬)
ひらひらと、降っては溶ける薄い雪。
「あれは昭和何年やったかいの・・・」
想い出が、ぽつぽつと語られ始めました。