さまざまな人が訪れるkajiyano。
「女子高生と父親」という新しいパターンが出てきました。
高校生が進路相談?の巻
とある日の朝。
kajiynoanの電話がジリジリと鳴り、妻が出ました。
「はい、kajiyanoの山口です」
村の人が耳にしたら、「斎藤の加藤」みたいな違和感があるかもしれませんね・・
声の主は、姫路の某高校3年生の女子。
「地域貢献につながるような仕事をしたいと思っており、ネットで調べてkajiyanoさんのことを知りました。ぜひお話を聞かせていただきたいと思ってお電話いたしました!」
思いがけない相手から、思いがけない問い合わせ。
いつも以上にゆっくりと話す妻でしたが、内心プチパニック状態に陥っているのが横にいて伝わってきました。
「あ、あの・・・主人の方が話しやすいかと思いますので替わりましょうか?」
いったん保留にして、懇願するように詰め寄ってくる妻。
「これ貴士くんの分野やろ!わたし絶対うまく話せへんから替わって!」
なかば強引にバトンタッチされました。
「地域貢献」「地域コミュニティ」といったキーワードから、てっきり神河町と縁のある兵庫県立大志望なのかなと思っていました。
ところが話を聴いていくと、志望大学はなんと母校・早稲田大学!
今年度から地域連携型入試なるものがスタートしており、レポートを書くために取材させて欲しいとのことでした。
「え?どういう審査基準なの?」
「受験は3教科?」
「卒業後のキャリアとの関係は?」
興味を惹かれ、つい質問モードになってしまうわたしでした。
↓入試概要
勇気を出して連絡をくれたことは嬉しく思いましたが、ひとつ問題が。
どうやら、わたしたちが地域ビジネス系NPOのような仕事をしていると誤解しているようなのです。
「外から見るとそう見えるのかもしれないけど、実際のところはカクカクシカジカ(死語?)・・・」
実情を伝え、それでも会いたいか尋ねたところ「是非に」との返事。
「お力になれるか分かりませんが、、ではお盆にさし掛かる前にお会いしましょうか」
「・・・え〜〜〜!本当ですか!?良いんですか?」
就活生のような声色から一転、女子高生の素顔がのぞきました。
当日は、kajiyanoへの送り迎えのお父さんも同席。
・kajiyanoという場を作った狙い
・将来への展望
・受験勉強のアドバイス
・早稲田大学の校風
しっかりと質問項目が準備されたインタビューのような時間。
ひと段落したのち、それまで黙って聴いていたお父さんが口を開き始めました。
「実は、娘がここに行きたいと言うのでサイトやブログを拝見したんですが、一体どうやって生計を立てているんだろうと不思議でしょうがなかったんです」
「でも今日お話を伺って、暮らしていくための仕事と地域での仕事のバランスを取って生活しているということを教えていただいて、こんな生き方もあるんだなぁと勉強になりました」
「ただ、手塩にかけて育てた娘が東京に行くとなると精神的に辛いものがあって、受かって欲しいような欲しくないような・・・」
「受験の際には、わたしも一緒に東京へ行こうと思っています」
「あ、よく『過保護のカホコ』や言われるんですよ」
喉元まで出かかった単語を自ら言ってくださり、ホッとしました。
彼女は今回のヒアリングを元にして、入試提出用のレポートを作成するそうです。
あまりに責任重大ですが、彼女に明るい未来が待っていることを祈ります。
今日の一句
新涼や 父娘揃いの 小旅行
しんりょうや おやこそろいの しょうりょこう
季語:新涼(秋)
秋めいた爽やかな風が吹き込む好日。
父と娘が将来について語る小旅行となったようでした