自然と調和するガーデンづくりで知られるポール・スミザーさん。
岡山県勝央町で行われたワークショップ&レクチャーに参加しました。
憧れのポール・スミザーに会いに。
古くは小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。
近年ではアレックス・カー。
日本の文化や風土の本質は、ときに異国の人に見出されることがあります。
イギリス人のガーデンデザイナー ポール・スミザーさんもその一人。
日本の自然に関心を持って10代で訪日。(イギリスで使われている植物の多くが日本産だったことがきっかけになったそうです)
以来、イギリスと日本の文化を取り入れたガーデニングを伝えるため活動を続けておられます。
→英国王立園芸協会ウィズリーガーデンおよび米国ロングウッドガーデンズで園芸学とデザインを学んだのち、独立。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』ダイジェスト(2014年12月1日放送分)
→人柄が伝わるドキュメンタリー。「(植物も人間も)場所さえあっていれば生きることができるよね。住むことができるよね。」
さて、何を隠そう山口夫婦、特に妻はポールさんの大ファンなのです。
「岡山県勝央町でワークショップを開催」
ポールさんのメルマガから情報をキャッチした妻は、当然のようにわたしを引き連れて岡山へ向かったのでした。
受付会場は、勝央美術文学館。
絵本作家いせひでこさん個展の関連企画として、下山本陣での植栽ワークショップと館内レクチャーが実施されました。
「出雲街道勝間田宿におもてなしの空間をつくる」(チラシより)というコンセプトでシリーズ開催され、今回で3度目。
前回は一輪車で砂利を運んで敷き詰めるという重労働だったそうで、「そのせいか今回はリピーターが少ない」とポール流ジョークが冒頭から飛び出しました。
「春先は花いっぱいで魅力的に見える苗が売っているけど、秋口のちょっと元気のないように見える苗は、安く買えるけど翌年ちゃんと育つから狙い目」
「明るいところが好きな花もあれば、日陰を好むものもある。最初は明るいところでも、周りの木が成長するにつれて、だんだん日陰になっていくということもあるので調整してあげることも必要」
テレビやDVDのイメージそのままの、ユーモアとウィットに富んだポール節。
除草剤を使わない抑草方法、大きくなりすぎた木の剪定方法など、気になっていることを直接教えてもらうことができました。
別れ際には、(ちゃっかりと)持参した著作にサインを依頼。
「僕のサインは簡単すぎて、それだけじゃ申し訳ないから」
ニコッと笑いながら、かわいいイラストもつけてくれました。
出会いたい人に出会い、語らう。
あたためてきた夢が叶った1日でした。
今日の一句
碧き眼の 庭師の笑みや 草の絮
あおきめの にわしのえみや くさのわた
季語:草の絮(秋)
遠く日本の地に身を委ね、自然と寄り添うガーデンづくりに取り組み続けるポールさん。
ユーモアを交えながら日本の草花を語る姿には、不思議な美しさがあります。