一歩ずつ、着実に。
”理想の暮らし”に近づいていけたらと思います。
住めば都。『鎌倉ものがたり』が理想の暮らし?
「忙しい」は「心を亡くす」。
「『忙しい』をポジティブに言い換えよう!」
そんな運動の結果、山口家では「忙し・・・充実してるなぁ!」と言い換えるようにしています。
最近の山口夫婦のささやかな楽しみ。
それは、就寝前の漫画タイム。
現在の寝室には、書籍と漫画が半々くらいずつを占める本棚があります。
漫画ラインナップの大半は、結婚して長谷に移り住むことになった際に、コレクター気質の父親が一気に処分しようとしていた蔵書を譲り受けたもの。
バガボンド、手塚治虫『火の鳥』、横山光輝『三国志』など硬派なタイトルのほか、みなもと太郎の名作『風雲児たち』、昨年末に公開されヒットした映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』の原作者・西岸良平の作品群などもあります。
結婚当初は特に、今後どうやって暮らしていくのか目の前の問題でいっぱいいっぱい。
「本棚の部屋」でゆっくり過ごせたらと思っていたものの、なかなか気持ちに余裕を持てず、ビンテージ感あふれる本棚も中身もまるでオブジェ。
最近になってようやく、夜間には「今すぐ必要」でない娯楽作品を息抜きで楽しむ時間を作れるようになってきました。
なぜか夫婦のマイブームは、西岸良平の『鎌倉ものがたり』。(話題の映画は未見です。)
主人公は、鎌倉に住む小説家・一色正和。連載開始当初32歳。
妻の亜紀子は連載当初21歳。出版社のアルバイトが出会いのきっかけ。極端に小柄で童顔のため、正和の子どもだと間違われがち。
この二人が中心となり、不思議な霊力に満ち魔物と共存する鎌倉の地(あくまでフィクション)で、さまざまな怪事件やSF現象に出会っていくストーリーです。
ときに残虐な殺人事件も起こるのですが、常にほのぼのとした雰囲気がただようのがこの作品の魅力です。
詳しいあらすじはWikipediaを参照ください。
小学生くらいの頃に読んだ記憶はうっすらとあるものの、目を通すのは久しぶり。
読み始めて、まずドキッとしたこと。
それは、一色家の住所が「神奈川県鎌倉市長谷1丁目」。
さらに、ほぼ同年代。
アイデア勝負の自営業者。
奥さんが小柄。
都心部から離れ、自然豊かな土地を好み暮らしている。
正和は生家ですが。亜紀子は東京の練馬区出身。
亜紀子曰く「そんなにお金持ちじゃない」ものの(作中で原作がドラマ化するのですが、どれぐらいの生活レベルなんでしょう)、今の暮らしには満足。
三食手作りの食事。ときには食通の先生行きつけの店でご馳走。
たまの講演の仕事は、半分旅行で気分転換にもなるのでありがたい。
不思議なくらいにシンパシーを感じる要素が盛りだくさんなのです。
特に、原稿の〆切前にアイデアが出ずイライラする一色先生からそーっと離れ、せめて美味しいごはんを作ろうとする妻亜紀子の姿は、まるで提案前日の山口家。
「もしかして、知らないうちにこの漫画に影響を受けていたのか・・・(妻を選ぶ基準も)」
案外、その線も否定できない気がしています。
まだまだ課題はあるものの、少しずつ自分たちのライフスタイルができてきて、日々充足感があります。
しかし、わたしが抱き続けていた理想のライフスタイルは
「海辺の暮らし」。
ご覧のとおりの「山の暮らし」になったのは何かのお導きでしょうか。
人生は不思議です。
今日の一句
春の雨 組む手に確かむる指環
はるのあめ くむてにたしかむるゆびわ
季語:春の雨(春)
しとしと、やわらかい雨が降る日。
身につまされるエピソードを読み進めていました。