今度はトラクターデビュー。
人によって、やり方は本当にさまざまです。
百人百様?田おこしのセオリー
ヤギのメエちゃんは今日もとびきりの可愛さです・・・
その話はいったん置いておいて。
米農家は、秋から冬場に掛けても何かとやることがあります。
わたしたち有機農法チームは冬期湛水をすることもあり、各圃場の水漏れがないか改めて点検。
来年は大幅に作付面積が増えるため、特に長年休耕田だったところ水張りがちゃんとできるか等念入りにチェックしています。
公共部分においても、水路のコンクリートが何らかの原因で陥没している箇所等あれば村の予算をやりくりして修理することが検討されます。
山口家の田んぼには、収穫後に牛糞と米ぬかを撒きました。
その後、乾いた状態でまず「荒起こし」。(今年の稲の株や雑草を掘り起こす)
その後水を張ってから、「代掻き」をします。(効果的に湛水するため、平らにする)
いずれも使用するのは小型のトラクター。(安田式有機農法では浅く耕すのが理想。大きい機械だと重みで爪が深く入りすぎます)
これまでは、オペレーターでもある米づくりの師匠にお願いしていました。
しかし、なんとその師匠が不要になったトラクターを1台譲ってくださることに!
今回はわたしがトラクターで田おこしをすることになりました。
日ごろ農園では備中鍬と三角ホー中心の手作業をしているため、トラクターという道具には先人の夢が詰まっていることを実感します。
広大な田んぼを手で耕すことを思えば、圧倒的に「楽」だからです。
それでも機械は機械で、使いこなすためには技術の習得が必要です。
やり方いろいろ
田植えや稲刈りでも人によってやり方が異なることはありましたが、田舎の人にとって身近な存在であるトラクターの作業には各人各様ともいえるセオリーあるいはポリシーがあります。
トラクターは後部に回転爪があるため、直線で耕す場合、最後は本体の長さ分だけ余白が残ってしまいます。
面積の大半はひたすら往復して耕していくのですが、前述の構造上、突き当たるたびに本体分の余白が生まれるため耕されない道(マクラ)ができあがっていくことになります。
最終的に「マクラ」を処理する必要があるので、残り2辺も同じくらいの余白を残しておいて、ぐるりと2〜3周回るのが一般的です。その名も「ぐるり」。
意見が分かれるポイント①
「ぐるり」を「先に済ませる」か「最後に残す」か。あるいは「最初と最後に逆順で」。
意見が分かれるポイント②
「ぐるり」の2〜3周は、内周から?外周から?
この組み合わせだけでも、相当のバリエーションがあります。
「農業男子あるある」(?)で、作業中には指導者のほか必ずと言って良いほど複数のアドバイザーが集合。
エンジンを止めて会話すると、一人一人微妙にニュアンスの異なるアドバイス・・・
時折操縦のまずさで吹き上がる黒煙に包まれながら、頭の中に浮かんだクエスチョンマークが消えることはありませんでした。
戸惑いつつも、とりあえずは予定していた2枚とも荒起こしが完了。
自分の中である程度納得できるパターンは見つかりました。
さすがネット社会で、ググってみると田おこしのセオリー動画がこれまたたくさん。
ネットにもリアルにも「正解」は無し。
「自分でやってみて、自分にしっくりくる方法を身につける」
結局はそうなるのかもしれません。
↓動画として分かりやすかったのはコレ。ですが今回やってみた方法とはことごとく異なります・・・。
今日の一句
胼の手で 刻印なぞる トラクター
ひびのてで こくいんなぞる トラクター
季語:胼(冬)
「胼」は手のひび割れのこと。(悪化すると「皹」=あかがり、アカギレ)
新たな相棒、わたしより年上のトラクターです。