姫路からkajiyanoへ、団体小旅行?
「Green drinks Himeji」企画の散策&交流イベントが開催されました。
Green drinks Himeji × kajiyano
「山口さんって、どのあたりに住んでるんですか?」
出向いた先で、たびたびそう聞かれます。
「えぇっと、だいたい兵庫の真ん中らへん、城崎と姫路の間ぐらいなんですけど・・・砥峰高原ってご存知ですか?」
「姫路」「神戸」「城崎」「淡路島」など知名度の高いエリアであれば簡単な説明で済むところが、なかなかそうはいきません。
他県の方にとって、「兵庫のまんなからへん」は一般的には謎のエリア。
→衝撃を受けたリツイート。中心部の説明が「山」や「空白」扱い・・・
姫路生まれのわたしにとっても、神河町周辺はかつては未知の世界でした。
実際に暮らしてみてはじめてわかる、人や地理の面白さや魅力。
「百聞は一見にしかず」
自分の経験も踏まえながら、いろんな人に、ここでの暮らしを味わってもらいたいなと思うようになってきました。
そんな中、8月には千葉県柏市「未来こどもがっこう」の体験型ツアーを実施。
都会で暮らす人、山間部で暮らす人がお互いにリスペクトして学び合うという試験的モデルでしたが、事務局もわたしも手応えを感じました。
今度は、姫路からオファーがありました。
”エコやグリーン、サステナビリティをテーマとして世界各地で開催されている飲み会「green drinks」。2010年にgreen drinks Japanが設立されたことをきっかけに、今や日本全国150近くの地域にまで、そのネットワークが広がっています。”(エコでソーシャルな飲み会「green drinks」の未来って? 6つの地域が“いま”と“これから”を見つめ直した「green drinks Japan サミット」[イベントレポート]より引用)
実行委員のタケちゃんことタケオカオリさんから企画が持ち込まれ、通常姫路で開催しているイベントのサテライト版として、9月の連休にkajiyanoで開催することに。
「播但線に乗る。降りて歩く」
「新米と手づくり味噌を使った軽食をkajiyanoで食べる」
それ以外は「なりゆき」という、ゆるさ。
どのくらい需要があるか未知数でしたが、あっという間に満員御礼。
タケちゃんはじめチームの影響力と人望を感じました。
連休中日に台風18号が接近する予報に開催が危ぶまれましたが、「台風後はかえって良い天気になる」と踏んで決行。
その願いどおり台風は夜中に神河を通過し、カラッと気持ちの良い秋空があらわれました。
あいにくJR播但線の寺前〜和田山間は運休となったため、長谷駅利用はあきらめて寺前駅に集合。
観光協会を覗いてから、長谷駅前の無料駐車場に移動しました。
「さぁ散策開始!」
と思いきや、いきなり地域の方々に遭遇。
「こんな大人数で、どないしよんや」
「いえ、このへんをぶらりと散策したいとのことで」
「ほぉ・・・?」
わざわざやって来る動機とは思えなかったようで、キョトンとした表情。
そこからいろいろな質問が飛び交い、最後には
「まぁよかったら移住してーな」。
サラリと笑顔で誘う長谷のおじちゃん達でした。
駅前からkajiynanoへ向かう約25分の道のりを、焦ることなく散策。
稲刈り前の田んぼ、大きな実をつけたイチヂクやスダチの木、軒先に干された赤唐辛子など、何か見つけるたびに立ち止まりなかなか前に進みません(笑)
偶然出会う地域の方とのコミュニケーションも醍醐味。
「こんにちは〜」から、あれこれ立ち話に花が咲きました。
寄り道が盛り上がったため、予定より大幅に遅れてkajiyanoに到着。
小腹が空いたところで、奈央シェフの軽食セットが提供されました。
ティーブレイク後は、急遽、山口夫婦のトークタイムに。
最近わたしたちのことを知ったという方も多く、自己紹介がてら、結婚・移住後の苦労話(特に金銭面)やその後のできごとをありのままお話しました。
あとで聞くと、このコーナーがいちばん面白かったという声も。
自分たちにとっては、結婚からすべてが”なりゆき”。
目の前に現れる試練に向き合い、チャンスが来たら手を伸ばす。
その繰り返しです。
時系列で振り返ったときには、人情喜劇のようなストーリーになっているのかもしれないなと今回思いました。
新しいチャンスと気づきを与えてくれた仲間に感謝しつつ。
長谷の未来を想います。
追伸
母体のgreenzは、会社員時代にお世話になったビーグッドカフェから派生したプロジェクトだったと今更ながら知りました。
打ち合わせの席でいつも、熱量いっぱいに身を乗り出してお話されていたシキタさんの姿を思い出します。
知らない間に、またその輪の中にいました。
今出会えたら、あのころよりちょっとは実のある話ができるかもしれません。
合掌
今日の一句
一両の 列車駆けゆく 野分晴
いちりょうの れっしゃかけゆく のわきばれ
季語:野分・野分晴(秋)
野分とは、野草を吹き分けるほど強い風のこと。
前日の荒れ模様が嘘のように、すっきりと晴れ渡った空の下。
地域の代名詞である真っ赤な一両列車が、ゆっくりと走り出しました。