過疎地域だけでなく都市部でも顕在化してきている空き家問題。
その根本的な原因とはいったい・・・?
「ふるさと」って何?
先日、兵庫に帰ってきて以来お世話になっている方と会食する機会を得ました。
近況報告を兼ねて田舎での暮らしについて話すと、日頃考えていらっしゃることとリンクする部分が大きかったようで話はどんどんディープな方向に。
「現在過疎化している地域は、もともと人が住んでいなかった場所であり必然の現象だという説はどう思うか」
「多額のお金を掛けて空き家を直す価値はあるのか」
ジョッキ片手にそんなことを語り合う中で、先輩の口から出てきたのが「コンパクトシティ構想」。
不勉強でわたしにとっては初耳だったのですが、コンパクトシティとは、特に人口減少が進む自治体において居住地域を集約して生活と行政の効率化を図るという取り組みのことです。
”コンパクトシティとは、言葉から想像するとおり、コンパクトなシティ(都市)ということですが、人口の少ない小都市という意味ではなく、商業地や行政サービスといった、生活上必要な機能を一定範囲に集め、効率的な生活・行政を目指すことです。
その形態にいくつか種類はあっても、基本的には公共交通と徒歩を利用したプランになっており、自動車を必要とする郊外での生活スタイルから離脱します。
さらに、都市区域や居住区域を定め、生活圏をコントロールしていく構想です。
つまり、郊外に住宅を求めることで無秩序に広がった生活圏を、中心部(または中心部と公共交通で結ばれた沿線)に集約させることで、無駄の少ない生活・行政を目指そうとするものです。”
【引用記事】コンパクトシティとは?青森・富山の事例とメリットデメリット
すでに青森市や富山市が実施し一定の成果が出ているそうですが、課題も浮かび上がっています。
そのひとつが、都市型の生活を望まない高齢者の存在。
買い物や通院などの利便性の高い暮らしが用意されているとしても、当人にとっては住み慣れた土地を離れるだけの理由にはならないのです。
ただ、これが純粋に地域への帰属意識なのかというと、必ずしもそうとは言い切れないと思います。
思索を経て行き当たったのは「ふるさと」という馴染みのある言葉でした。
(次回へ続く)
今日の一句
早暁や いのち新たに 梅の枝
そうぎょうや いのちあらたに うめのえだ
季語:梅(春)
夜のあいだ息を潜めていた生き物たちがいっせいに活動を始める早朝の庭。
枝いっぱいに花をつけた梅が、光の中に浮かび上がります。