積み上ぐる昭和の映画春ごたつ

「今日明日ちょっと時間が出来たし、たまには家で映画でも観ようか」と、レンタルショップで1本手に取ったのが間違い。

夫婦で、『男はつらいよ』シリーズにどっぷりハマってしまいました。


『とらや』を取りまく共同体

久しぶりに『寅さん』を観て新鮮に感じたのは、人と人との距離が非常に近いこと。

『とらや』が商家だからという理由もあると思いますが、お隣のタコ社長とおいちゃん、住居を別に構えている博夫婦、御前様、皆これでもかというぐらい頻繁に顔を合わせています。

久しぶりに帰郷した寅さんが、近くの公衆電話からとらやに電話するというお決まりの場面がありますが、日常的なコミュニケーションで醸成されるコミュニティがそれだけ分厚いということなのかもしれません。

私が住む長谷もそうですし、東京の下町や地方の村にはまだまだそんな共同体が残っていますね。

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一大決心してカタギの暮らしを目指す寅さんが選ぶ道は・・・感涙必至の映画版第5作。

「顔を合わせて仕事をする」ということ

昨今、ワークスタイルが多様化し「膝をつきあわせない」仕事も少なくありません。

その最たる例は、クラウドワークスを始めとするクラウドソーシングというインターネットを媒介にした受発注プラットフォームの存在。

もちろん発注者とクリエイターのマッチングという側面はありますが、ライター募集案件の内容をみてみると

「指示に合わせて600文字の記事を書いてください。1文字0.5円換算。メールで納品してください」

といった感じです。

実際に応募者がいるので、需給関係は成り立っています。ビジネスですし、その是非は問いません。

ただ、本来は「人」だから出来るはずのクリエイティブな仕事が、代替可能な単純労働力として取引されている実情は、ちょっと異様な世界に映ります。

一念発起して立ち上げた企業のロゴをネット上で公募するってどんな気持ちなんだろうと思いますが、経営者の皆さん、そのあたりどうなんでしょう。


話変わって、2015年じゅうに、amazonがいよいよ無人の空中宅配『Prime Air』をローンチするという情報があります。

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また、マックスバリュやイトーヨーカドー等のスーパーでは、無人で金額を読み取る「セルフレジ」が珍しくなくなってきました。

「機械が代替できる仕事は、機械に任せる」

すべての分野では無いでしょうが、この流れはきっと逆戻りはしません。

「”人間の仕事”ってなんだろう」と考える機会が、今後ますます増えてくるような気がします。

弓と鉄砲で奇襲するモンゴル兵に対して、堂々名乗りを上げ一騎打ちを挑む日本武士の姿は、美しくもあるけどちょっと悲しい。

万全の準備で、「結構毛だらけ猫灰だらけ」と笑い飛ばしていけたら良いのですが、はてさて。

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 今日の一句

積み上ぐる 昭和の映画 春ごたつ

つみあぐる しょうわのえいが はるごたつ

季語:春ごたつ(春)

添削の赤入れが何句か続いてからの、「貴士さん、これはニジュウマル」

先生曰く、「貴士さんたちのような若い人が、こういう気持ちを大切に持ってくれてると思うと嬉しいよねぇ・・・。僕たち世代への応援歌と受け取りました」。

一瞬、頭に「!?」が浮かびながらも、笑顔で相槌をうちました。

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