米づくり3年目。
まさかの田植えデビューとなりました。
オペレーターへの道
大川原集落の農家のほとんどは、営農組合のオペレーターに田んぼの主な作業を委託しています。
オペレーターとは、営農組合が保有する農機を操縦し、地域の農家の田んぼ作業を行う人のことです。
大川原集落では、現状計4名。
代掻き、田植え、刈り取り、耕耘など、節目といえる仕事を請け負っています。
各農家にとっては、年に数回しか使わない高価な機械を買わずに済む、育苗も一元管理してもらえる(農家ごとにプールを作ったり水やりをしないで良い)等のメリットがあります。
(営農組合がどこまで請け負うかは集落により異なります)
山口家は一応「米づくり3年目」となります。
ただ、日々の水管理や草刈りなどは自分たちで行うものの、肝心の田植え作業や刈り取りは営農組合のオペレーターさんにお願いしてその補助的作業のみ。
自前で農機を買うべき規模でもなく、今年も含めて当面は現状を維持するつもりでいました。
ところが、わたしが営農組合の役員(会計)となったことで事態が一変。
先輩「将来的には山口くんたち若手にも出来るようになってもらわんといかんわなぁ」
先輩「まずは自分の田んぼの田植えちょっとやってみいな」
山口「え、あ、あの・・・・はい」
思いがけず、田植機作業にチャレンジすることになりました。
迎えた当日。
乗車訓練も兼ねて、営農組合の倉庫から田植機に乗って移動しました。(路上走行というモードがあります)
「ほんまに今日僕がやるの・・?」
心の中で何度もためらいながらも、泥の中にメリッと機械を乗り入れてからは腹をくくりました。
まず1枚目の田んぼ(小)は、先輩が道筋をつけてくださってから植えやすい部分のみわたしがトライ。
慣れない機械作業でモタモタするわたしでしたが、先輩が畦を並走しながら懇切丁寧に指導してくださり本当に心強く思いました。
2枚目の田んぼ(大)も同じく先輩のリアルタイムサポート付き。
ですが今度はひと通り自分で植えてみました。
見返すと、ラインが曲がっているところや歯抜けがあちこち。
それでも一応は「田植え済み」と言える程度の仕上がりにはなっていました。
先輩からも及第点。
ほっと胸をなでおろしました。
以下、備忘も兼ねて。
田植機の基本的な動きは、往復運動です。
ロの字の外周を残して、内側をまず埋めていきます。
難関は、外周の植え方。
真四角の田んぼであればシンプルなのですが、大川原の場合、圧倒的に多いのは変形した田んぼです。
出口を残した上で外周を最短距離で回れるよう逆算し、頭の中のパズルを組み立てながら苗の列を整えていきます。
田んぼの形が一枚一枚違うだけでなく、前日の天候や苗の乾き具合、田んぼの水量や土の柔らかさ、石の量などの条件によって勝手が変わってくるため、田植えはまさにライブ。
実際にやってみて、先輩方がどれだけいろんなことを考えて田植えに望んでおられるのか、その一端を伺い知ることができました。
ようやく田植えが済み、ここからが米づくり本番。
昨年の反省を生かし、なるべく先手先手で頑張りたいと思います!
※↓こんな作業です。より早く綺麗に植えるために、いろいろとノウハウがあるようです。
今日の一句
田植機に 王座の如く 座りけり
たうえきに おうざのごとく すわりけり
季語:田植機(夏)
これまで地上から見つめるばかりだった田植機の座席。
ゆとりがあって動きやすくも重厚な空間は、わたしには王様の椅子のように思えました。