怪我をしようと落ち込もうと、日々は淡々と続いていきます。
「身の置きどころ」をあれこれ考えています。
足を骨折して1ヶ月
「ただでさえ手が掛かるのに、ちょっと早い介護やわ・・・」
冗談交じりの妻の言葉ですが、半分以上本音でしょう。
日ごろからあれこれと頼みごとをして振り回しがちなのに、骨折してからはなおさらです。
経過が思わしくなく、わたしがやり残した田んぼの仕上げと畑の管理は、まるごとバトンタッチ。
当初は、まだ若いし見込みより早く治るだろうと思っていましたが、今となってみれば「全治2か月」は大げさではありませんでした。
「全治2か月で戦線離脱 今季絶望」というアスリートの無念さが、今なら少しは分かります。
※タイムリーに、女優の栗山千明さんが右足すね複雑骨折で「全治2か月」。「複雑骨折なのに、そんなに早く治るのか」と思ったら3週間入院でした。
車での送り迎えの際には、停めかたにも要配慮。
幸か不幸かこの歳ではじめての骨折のため、階段やエスカレーター、道路の段差など松葉杖のテクニックが追いつかず、何かにつけて時間がかかり足を引っ張っています。
正直、最初は特別扱いしてもらえることに喜びもあったのですが(不謹慎)、日に日に気まずい思いが増してきています。
夫の里帰り
そんなわけで最近は車での遠出もなるべく控えてきましたが、仕事と冠婚葬祭だけは変更できません。
8月下旬から9月あたまにかけて姫路方面の用事が立て込み、いつものように手帳とにらめっこしてスケジュールを組んでいましたが、ふと思い付きました。
「姫路の実家に里帰りさせてもらうか」
言ってみれば迷惑をこうむるのが妻になるか両親になるかの違いですが、ただでさえ一緒にいる時間が長い夫婦生活だし、ときにはわたしの傍から離れてリフレッシュするのも良いのではと提案したのです。
「でも、ご両親に申し訳ないなぁ・・・」とためらっていた妻でしたが、日ごろの妻の頑張りを見ていることもあり両親は快く受け入れてくれました。
滞在期間は約1週間。
身近でも、妊娠中に奥さんが帰省するケースはありますが、まさか自分が先に里帰りすることになるとは思いませんでした。
到着すると、じいちゃんが使っていた和室に、仕事用の机と布団がばっちりセッティング済み。
快適に過ごせるようにと、父が用意してくれたようです。
お仏壇をひらいて、「お世話になります」とお線香をあげました。
今日の一句
蟷螂や覚悟のかたき面構え
とうろうや かくごのかたき つらがまえ
季語:蟷螂(秋)
長谷での何気ない一日。
「ただいま~」と玄関に駆け込むと、真正面になぜかカマキリのお出迎え。
踏みつぶされるかもしれないのに、キリリと鋭いまなざしでその場を譲ろうとしません。
虫のすくない実家は、快適でもあり、少し寂しくもあります。