田舎で暮らしていると、日々いろいろな生き物がやってきます。
家主が気づかないうちに、堂々と居場所を構えていることも・・・。
あわや迷宮入りの怪事件
商家ならずとも、玄関を清浄に保つのは大切なことだと言われています。
広大な敷地のすべてを手入れすることはなかなか困難ですが、「せめて玄関は」という想いで掃き清めや盛り塩を行ってきました。
ところが、自他ともに認めるきれい好きのわたしを悩ませ続けてきた問題があります。
それは、いつも同じポイントになされる謎のフン。
これを、毎回掃除しなければなりませんでした。
義母や村のかたにも折りに触れて相談してみたところ、兵庫県の中山間地域で見られるイタチやアライグマ、コウモリなどが有力候補と目されていました。
”犯人”発見!?
ところが、ある日の夜。
驚きと喜びが入り混じったような妻の悲鳴が響きました。
なんと、玄関外の天井部分、屋内に電気を引き込むためのケーブルを止まり木にして小さな鳥が寝ていたのです!
懐中電灯で照らしつつiphoneで撮影したところ、青色とオレンジの交じった色の鳥のすがたを確認。
驚いて目を覚ましたように、あたふたと跳びはねてから鳥は去ってしまいました。
「もう来てくれへんのちゃうやろか・・・」
かわいらしい珍客との出会いと別れが一度にやってきて、妻はがっくりと肩を落としました。
一方で、2年間にわたる戦いを通していかにも憎たらしい生き物を想像していたわたしは、すっかり肩すかしをくらってしまいました。
野鳥論争がヒートアップ
一連のできごとを谷間の家さんきらのfacebookで投稿したところ、
「ホオジロではないか」
「いや、シジュウカラでは」
「ヤマガラ」
「ジョウビタキ」
「モズ」と山名町長も巻き込んだ一大論争に。
画質が鮮明でなかったこともあり、結論はいったん保留となりました。
結論:渡り鳥のジョウビタキ(♂)
翌朝明るくなってから検証すると、壁や地面についたフンの跡と居場所がみごとに合致しました。
「もしかしたらまた来るかもしれないから、時々ようすを見に来ようか」と言っていた矢先。
さっそく翌日の晩にやってきました。
今度は、一眼レフで激写。
改めて比較検討した結果、ジョウビタキのオスではないかという結論に至りました。
ジョウビタキは冬鳥(渡り鳥)で、ツバメのように前年いたところに戻ってくるそうです。
ちなみに「鶲(ひたき)」という秋の季語。
比較的人懐っこい鳥だそうで、民家近くに生息することもあるそうです。
観測をはじめて分かったことですが、チェックイン(?)は遅くとも18:30、翌朝4:30~6:30の間にチェックアウトしているようです。
しっぽのすわりが良いのか、なぜか寸分たがわず毎日同じ場所。
すっかり我が家を気に入ってくれているようなので、ペットを飼う気持ちで家族の一員として迎え入れることにしました。
鳥の種類についての判断はあくまで素人によるものですので、「いや、それは違う!」というご意見がありましたらご連絡ください。
今日の一句
春月夜 鳥寝しづまる 軒の内
はるづきよ とりねしづまる のきのうち
季語:春月夜(春)
やわらかい月の光に包まれる夜。
山里にたたずむ日本家屋の軒先で、今宵もジョウビタキが眠りにつきました。