秋祭りのシーズンがやってきました。
春の祭りは「豊作祈願」、秋の祭りは「収穫への感謝」が本来の目的と言われています。
都会で暮らしていた時には今一つピンときませんでしたが、今年はその意味を実感します。
狩猟もしながらたくさんの田畑を管理されている大先輩が、苗を植えてから毎日欠かさず田んぼの水かさをチェックしているのを間近に見ていたので、収穫の日は「ついに!」と感無量でした。(そして新米は本当に美味しい!)
大川原集落の氏神様
私たちが暮らす大川原集落の氏神様は、犬見川沿いにそびえる大歳神社です。
おとなりの本村集落に『市原神社』という神社があり、明治時代には長谷村の各集落の神社が合祀されたのですが、時代を経て分祀が進み、ここ大川原集落でも、
「自分たちの神社を作ろう!」
と、平成10年に神社が再建されました。
(関電のダム開発で地区にお金が入ってきたこともきっかけになったようです。)
年に一度の”お祭りさわぎ”
さて、大川原の秋の例祭は、
11時~大歳神社で神主さんによる神事(御神体への儀礼等。約30分)
↓
大川原公民館で直会(なおらえ)=婦人部手作りのおでんや炊き込みご飯とお酒で歓談。
という流れです。
残念ながら神輿の練り歩きや屋台などはありませんが、「秋の祭りは年に一度の節目のイベント」という意識は強く、この日はまさに「無礼講」。
この村に来て以来の大賑わいで、ダントツ最年少の私はお酒注ぎに奔走!
そんな熱を帯びた空気の中、この日は諸先輩方から盃片手に質問攻め。
「山口くん!今日やから聞きたいんやけどなぁ」
と、ここでは書けないような、家庭生活や仕事についての濃厚な会話を交わしました(笑)
非日常のひとときを経て・・・
若者夫婦が山里の村に移り住んできて、最初はきっと「いったい何者なんやろう」という印象だったと思います。
しかし、半年という時間と、秋祭りにおける「非日常」のコミュニケーションを経て、当初に比べればだいぶ距離が縮まってきたかなぁと感じた一日でした。
(キャラクターによってはもっと早く入り込めるのかもしれませんが、あまり得意な性分では無く・・・)
今日の一句
狂宴の 後の静けき 村祭
きょうえんの あとのしずけき むらまつり
季語:村祭(秋)
現在、大川原集落の住民は、私たちを含めて30世帯ほど。
山あいにぽつりぽつりと民家が立ち並ぶさまを俯瞰したら、とても「賑わい」は想像できないかもしれません。けれど、一人ひとりのエネルギーは並々ならぬものがあり、この秋祭りはそれがひとつのピークを迎える時です。
その一方で、祭りのあとは、「歓楽極まりて哀情多し」。
歓喜の絶頂と切なさは表裏一体です。
私たち夫婦の日常と村の日常がまた戻ってきます。