新米を携えて、お客さまのもとへ。
ほんとうに「お米さまさま」です。
毎年恒例、新米行脚。
食欲の秋、芸術の秋。
あるいは収穫の秋。
小さいながら米農家でもある山口家は、この時期特有の動きがあります。
それは、新米のお届け。
当初はある程度まとまった単位での販売も行っていましたが、有機栽培では生産量が限られることもあり現在は小口の店頭販売にシフト。
今年はホテルでの1kgパック(850円)、kajiyanoでは1.5kgパック(1200円)の2種展開ですが、リピート注文がいくらかあるのと、お世話になっている得意先への贈答でのお届けは行っています。
包装やデコレーションは妻の担当。
栽培方法を記したポップも同封しています。
今週は、商談にあわせて姫路方面のクライアントを訪問。
工務店、重工業メーカー、アパレル。
業種も社風もさまざまですが、「お米」は共通言語。
実りの喜びを共有しながら語らう時間は、どことなくあたたかい雰囲気に包まれます。
起業初年度からお世話になっている企業は、今回で3回目の新米お届け。
現在があることへの感謝の気持ちをこめて。
また、原点を忘るべからずという気持ちをこめて。
この時期の「新米行脚」は、支えてくださっている人とのつながりや自分たちの足元を見つめ直す行事でもあります。
ビジネスモードの日中の訪問を終えて、最後は実家へ。
ある意味でいちばん長くお世話になっているクライアント(?)。
「お代は結構です」
ちょっと誇らしげに、包装した新米をプレゼントしました。
翌日(今日)は、東京の某出版社のkajiyano取材。
(掲載メディアについては追って公表します)
スタッフは女性ライター&カメラマンの2名。
取材用メモを用意していたこともあり、取材自体は想定よりも短い時間で終了。
前職時代の縁があったり共通の音楽の趣味があったりと「脱線」話に花が咲きました。
そして話題は「健康」へ。
妻と合わせて4人ともが20〜30代のフリーランサー。
「自営業者は体が資本」
この事実に一同深くうなずきながら、いかに健康維持・増進が大切かを語り合いました。
おひと方は玄米食を実践されており、手作り味噌も定期購入しているという力の入れ具合。
「仕事柄やむをえずコンビニで食事を済ますことがあるけど、体調を崩してしまうことがありますね」(コンビニチェーンの仕事を受けることになったら削除しないといけませんね。←冗談です)
「朝4時半起きの玄米食生活だけど、飲み会が入ると途端にコンディションが変わっちゃうんですよねぇ」
非常に繊細な会話が交わされる、平日昼間のコワーキングスペースでした。
帰り際には、お二方とも新米をお買い上げ。
こうして新しく出会うひとの手にもわたしたちのお米が渡っていくのは嬉しいこと。
初対面の人との会話においても「お米を育てている」ということがコミュニケーションに深みを与えていくのかもしれないと今回思いました。
商品として価値があることはもちろんですが、一年かけて育てたお米を得意先や恩師へ贈るというコミュニケーションは「プライスレス」な世界。
先祖の農地がつないでくれる縁を想う月夜です。
今日の一句
十五夜の 荷台の軽き 家路かな
じゅうごやの にだいのかるき いえじかな
季語:十五夜(秋)
月の光がうっすらと照らし出す里山の夜景。
贈り物を届け終えた安堵の気持ちに浸りながら、国道を走りました。