共用の農具を洗ふ秋の水

シーズンを終えた機械の手入れ。そして打ち上げ。

大川原営農組合の2017年の米づくりが終わりました。


一年の労をねぎらうひととき。

 

集落のすべての稲刈りを終えて迎えた日曜日の朝。

氏神である大歳神社前に村人が集合しました。

目的は、翌週の秋祭りの準備。

ただ日ごろ老人会をはじめ村の皆さんが神社を手入れしてくださっていることもあり作業は想定よりも小規模に。

そこで急遽、心配の声が上がっていた営農組合の倉庫周りの整備を行うことになりました。

 

成長した周辺の雑木が覆いかぶさり、落ち葉や腐葉土が屋根に堆積している状態。

放置すると建屋の劣化を招きかねないことが懸念されていたのでした。

 

スローライフのイメージとはうって変わり、ここぞという時は”仕事人”になるのがビレッジワーカー。

あっという間に、チェーンソーで大木を何本か伐採する段取りが組まれました。

 

倒したい方向の木にロープを括り付けて、いざ伐採。

「せーの」

綱引きの要領で、何人かでロープを引っ張ること数秒。

少しずつ傾いた木が徐々に加速し

「ドシャーン」

と大きな音を立てて地面に寝そべりました。

「明るなったがい」

あちこちで笑顔が光りました。

 

その後は、屋根の掃除。

波上のトタン屋根の谷間には、腐葉土がギッシリ。

「ごっついのぅ」

「ホウキでちょっとずつ掻き出さんとしゃぁないかもしれんな」

 

「あの・・・、もし良かったらこれ使いますか?」

 

差し出したのは

STIHL社製のブロワー。

スチール社サイトより

 

「お、ええもん持っとるやないか!それでやってみよか」

 

昨年、kajiyanoのガーデンを設計してくださった風雅舎さんのススメで購入したアイテム。

強力な風で落ち葉を吹き飛ばすことで、外掃除の手間が激減する代物です。(回し者ではないですが本当にオススメです!)

「使わないかもしれないけど、これも積んでおくか・・・」

旅行前の準備のように、お掃除道具をいろいろ積んでいったのが幸い。

エンジンをブンとふかして、風を送ると落ち葉や腐葉土がみるみる綺麗になっていきます。

「あれ、どこの道具や?」

「買ったんか?」

ちょっとだけ鼻高々なわたしでした。


午後からは、営農チームだけ集まって農業機械の掃除とメンテナンス。

ここでもブロワーが一定の活躍をしました。

しかし、圧倒的に輝いていたのは板金屋さん顔負けのスキルで機械の傷みを修繕する先輩方。

この分野に明るくない(というより暗い)わたしは、川から吸水機で川から取水したホースで水を掛けるというAD的役回りに徹するほかありませんでした。

 

「うん、これでよし!」

見違えるようにピカピカになり、試運転をクリアした機械群を車庫に収納。

「ほな、準備せなあかんのぅ」

もうひと仕事?

ではなく、宴の準備です。

 

場所を移して、乾杯!

新人メンバーが加わった一年のエピソード。

来年の抱負。

会話に花が咲きました。

 

うまくできているもので(?)、10月は本業のほうが忙しくなりそうな気配。

おいしい新米を食べて、仕事に精を出したいと思う秋半ばです!

(もはやどこからどこまでが仕事か分かりませんが・・・)


今日の一句

 

共用の 農具を洗ふ 秋の水

きょうようの のうぐをあらふ あきのみず

季語:秋の水(秋)

今年もすべての農家の田んぼを駆け抜けたコンバインとトラクター。

川の水で洗われたボディがきらきらと輝きを放っていました。

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