籾殻の山たちまちに崩れけり

百姓には百姓の、素養とキャリアが求められます。

失敗を糧に、成長あるのみ!


平らな田んぼを夢見て。

 

”百姓”しごとこそ、田舎暮らしの醍醐味。

台風が迫っていることもあり、田んぼの手入れ作業を複数日にかけて行いました。

 

毎年のことながら、どうしても田んぼが平らでないことが悩みの種。

植え付けをするにも、水を張るにも、刈り取りをするにも、高い低いがあると作業がはかどらなかったり、収穫量に影響したりします。

 

そこで、今年こそはと、田んぼの”じゅるい”部分に手を入れることにしました。

使用するのは、籾がら。
このあたりでは、なぜだか通称「すりぬか」です。

旧大河内町方面を中心に、自社栽培だけでなく農家の田んぼの世話や籾摺り・乾燥などの大型機械作業を請け負う農業法人ヤマウチファームさんに分けてもらいます。

まるで鳥取砂丘の一枚。

大量の籾がらを、ガッサガッサと軽トラに積んでいきます。

 

みなさん、お気づきでしょうか。

そう、特設の木枠が装着されています

 

通称「あおり」

カサの高いものも積んで運べる、便利な代物。

今回は村の大先輩に貸していただいたのですが、いずれ自前のものも作りたいなと思っています。

 

都会で働く信州田舎暮らし

軽トラックには様々なモノを積み込みます。管理機やたい肥、鹿やイノシシ等々。中には、もみ殻のように軽くて嵩張るモノもあります。これがなかなか十分な重さを運べないのです。 そこでこちら。 ホームセンターで合板4枚と角材を購入しました。荷台は190cm×140cmなので、横2枚は電ノコでカット。板だけでは倒れてしまうので、角材2本をビス止めしてスライド式にしました。 …

助手のKくん。大川原と大阪の2拠点生活中のアーティストです。

経験あるのみ!?ステップアップの道のり。

 

積み込みが済めば、あとは田んぼにザッと撒くだけ・・

と甘く見ていました。

 

軽トラをなるべく田んぼの中へ入れること、そして、すりぬかを田んぼの該当箇所まで運ぶことがなかなか大変なのです。

 

「ビニールシートに載せて運んだらラクや」

先輩がたからそう聞いていたので、軽トラの背中にビニールシートを敷き、その上に籾がらを積んで帰ってきました。

ところが、二人掛かりでうんとこしょとシートを引っ張っても、ビクともしません。

いくら軽いと言っても、山積みになった籾はそれなりの重さになっているのです。

 

仕方なくスコップとテミで少しずつ崩していく羽目になりましたが、なかなか埒があきません。

「片方が上から崩して、もう片方がテミで受けてみたら?」

「一輪車を使ってみたら?」

さんざん思案し、試し、行き詰まった挙句に気づきました。

「上から崩してビニールシートで受けとめるようにしたら、運びやすいかも・・・」

 

「あ、このことを言っていたのか!!」

 

そこからは、恐ろしいほどスピードアップ。

結果的には、日が暮れるまでに無事終えることができました。

あおりを返しに行ったら、何人かで会合中。

その話をしたら、どっと笑いが起きました。

「そら欲張りすぎや。普通に考えたら分かるやろいな」

 

村ではいつもこんな具合のわたし。

こうした分野の素養が圧倒的に欠けしていることが今回も露呈してしまいました・・・。

 

「二度手間、三度手間にならんように考えなあかん」

「まぁ、経験やな」

大先輩の言葉が、沁みました。


今日の一句

籾殻の山たちまちに崩れけり

もみがらのやまたちまちにくずれけり

季語:籾(秋)  

そびえるように積みあがった籾の山。

スコップを差し入れてさらさらと崩れるさまは、砂の城のようでした。

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