田舎の電車を待つ時間は、考えごとをしたり、手書きでメモを取ったりするのにもってこいです。
ところで、播但線の中でもひときわ冷遇されている駅がひとつあることを、皆さんはご存知でしょうか。
地域のシンボル・播但線
わたしたち夫婦も参画している『播但沿線活性化協議会』でPVも制作されましたが、姫路~和田山間を走る真っ赤な車両の播但線は、まさに沿線地域のシンボル。
姫路から乗ると、窓の景色がだんだん田舎の風景になっていき、ちょっとした小旅行気分を味わえます。
ところが「慣れ」は恐ろしいもので、通勤や通学で日常的に使っていると窓の外は「いつもの風景」。手持ちぶさたの時間を、みなさん思い思いに過ごしています。
感覚的な数字ですが、車内のスマホ率はだいたい30%くらい?あとは、新聞や文庫本を読む、外をぼんやり眺める、隣の友達とおしゃべりする、という「ザ・鉄道」の風景が色濃いように思います。
さかのぼること数年の東京時代、iphone4が発売されてしばらく経ったころには山手線のホームはスマホを触っていない人が珍しいぐらいでした。
はじめは、「いつでもどこでも検索できるって素晴らしい!」と興奮したものですが、だんだんとその「後戻りできない」感が怖くなっていったことを思い出します。
スマホに支配されない時間をもつ
わたしはiphone3からのスマホユーザーですが、相性が良いのか悪いのか一時は完全にスマホ中毒におちいり、読書の時間やノートに文字を書く時間が明らかに減りました。
一説によれば、人間の情報処理能力は向上していないのに、10年前に比べて情報量は400倍以上になっているのだとか。
能動的に情報を取捨選択して生活したいと思いますが、「便利さ」という誘惑はなかなか強力です。
そこで、なかば半強制的に自分をスマホから遠ざけるべく、年明けに思い切ってガラケー+iPad mini に分けてみました。
結果的には、これが大正解。
そもそも本当に急ぎの用件は電話になるので、ちょっと席を外すときや室内から外作業に出るときなどは、ガラケーだけ携帯すればまず問題ありません。
iPhoneを持ち歩いていたときは、LINEの受信やアプリのポップアップ通知で小刻みに行動を止められていましたが、そうしたオンラインの連絡をまとめて確認することで、優先度の高そうな情報から処理できるようになってずいぶんとストレスが減りました。
長谷駅を見捨てないでください。
脱線してしまいましたが、本題はこれです。
姫路~和田山間を走るJR播但線の「快速」が止まらない駅が一つだけあります。
わが最寄駅「長谷」駅です。
姫路方面からの終電が異常に早く(平日で19:49)、しばしばひと駅前の寺前駅を利用せざるを得ないことがあります。
わたしは定期を購入していないので、毎回券売機で切符を買っています。それほど手間が掛かるという訳でもありませんが、急いでいるときは特にICOCAが使えると便利だなぁと思うことがあります。
すると、今年に入ってちょっと嬉しいニュースが飛び込んできました。
JR西日本が2016年3月より、播但線を含む3線でIC乗車券「ICOCA(イコカ)」の利用可能区間を拡大
「助かるなぁ!これからはICOCA使おか」と妻に声を掛けながら記事を読み返したら、播但線で導入されるのは
「京口-寺前」間。
JR西日本様、議員の皆様、長谷駅がスネております。
今日の一句
永き日や ペンを手に待つ 播但線
ながきひや ペンをてにまつ ばんたんせん
季語:永き日(春)
ずいぶんと日が長くなり、春も安定期に入ったような感じがします。
窓の景色ものどかなら、待ち時間ものどかな田舎の電車。
手帳に今日会う人の名前を書く、アイデアを書き留める、書き忘れた一筆箋をしたためる・・・
みずからの意思で、文字を書くという行為は美しいと思います。