家から少し離れたところにあり、なかなか足しげく通えないわが畑。
頼りない主人の目はなくとも、春先に植えた種や苗がゆっくりと確実に育っています。
待ちに待った収穫!のはずが・・・
以前の記事を見返すと、二十日で育つという「二十日大根」=ラディッシュの種を植えたのが3月中旬。
4月上旬の時点でほとんど芽吹きの気配がなく、農業初心者のわたしはそれが成長過程なのか望み無しなのかを判断することができず、様子見でそのままにしていました。
そんな中で、もともとが田んぼの土地なので水はけが悪いことに加え、4月にしばらく続いた大雨で全面水たまり状態。
目を背けるように、さらに足が遠のく弱い自分がいました。
それから数週間。こんどは、4月の雨が嘘のように、雨一滴降らないカンカン照りの日々。
「あのぬかるんだ畑なら、これぐらい日照りがあってちょうど良いのでは?」
と思いながら、様子を見に行きました。
かわいいかわいい、小粒のラディッシュ
するとどうでしょう!
高原の低気温や水量の具合がたまたま適合したのか、空に向かって葉が広がり、地中から赤い実がちらり。
表面に傷がつかないように、また途中で折ってしまわないように、指で土を少しずつ掘り返していくと、ぷりっとかわいい小粒のラディッシュがあらわれました。
この分野の先輩である妻に見せたら、「小さいけど、ちゃんと育って良かったね」と苦笑しつつ喜んでくれました。
振り返ると、わたし自身、こんな風にゆっくりと時間を掛けて育てるという経験がこれまで乏しかった気がします。
「欲しいものはすぐに手に入れたい!」
「早く結果を出したい!」
そう思って手にしてきたものは、あまり根付きませんでした。
自然とともに暮らす中で、「あせらず、時間をかけて育てる」ということを学んでいる気がします。
今日の一句
赤よりも紅くつつじの咲きにけり
あかよりもあかくつつじのさきにけり
季語:つつじ(春)
ラディッシュの葉は緑。ミツバチの身体は黄色と黒。自然の色は、どうしてこんなに鮮やかなのか。
つつじの赤色は、ラディッシュのそれともまた違う、どこまでも濃く深い赤色です。