「アンサー俳句」を勝手につくった話
※書き下ろし
たねまをさんのアート作品からインスパイアされて、アンサーソングならぬアンサー俳句を勝手に作ってみました。
彼女の作品とあわせて、ご鑑賞ください。
自分をご機嫌に。
コワーキングスペースkajiyanoにて、毎週第2土曜に開催している「みんなのひ」。
2026年7月度は、4組のクリエイターさんがコラボするイベント「たね集め 4粒め」が同時開催されました。
「自分をご機嫌にできるタネを集める」というテーマで彩られる1日。離れとコワーキングスペースを人が行き来して、多様でカラフルで、ゆったりとした時間が流れていました。
<出展者>

めぐりさん @meguri_oshigoto
足もみ施術・足半の販売

SORASAKUさん @sorasaku819
アフリカンパンツをメインに心が弾む日常着の販売

たねまをさん @tanemaooo
めで展作品販売&アトリエでのセッション予約受付

cacaoman’s chocolateさん @cacaomanschocolate
カレーランチ、わらび餅、お団子、アイスなどフード販売

思考と表現の軌跡① 「次の港まで」を固定
ランチどきにコワーキングスペースのほうへ人が流れたので、たねまをさんの作品をSORASAKUさんとじっくり鑑賞。

「今日、いまの自分にいちばんしっくりくるものを選ぼう」
そう決めて一周し、手に取ったのがこの作品。

「同じ船にのってるだけよ。次の港までね。」
地に足をつける生き方は、ともすればアンカーにつながれた舟。こどもの成長とともに少しずつ遠出もできるようになってきた実生活とも重なり、この軽やかさに惹かれました。
航路は先が見えず不安でも、次の港が待っている。
心地よい人とも、そうでない人とも、今は同じ船に乗り合わせているだけかもしれない。
もっと言えば、人生は、地球は、「乗り合わせのご縁」かもしれない…
海へ広がるようにインスピレーションが増幅する、素晴らしい作品だと思いました。

それをただ静かに愛でていればいいものを、またも俳人の悪い癖。
心の琴線に触れたものをどうしても17音に落とし込んでみたくなり…。
最初にノートに書き留めたメモは「次の港まで」。
華やかで洗練された彼女のイメージを思い浮かべると、「合わせる季語は香水かな」と、珍しくすっと決まりました。
思考と表現の軌跡② 「眠らむ」?「眠らう」?
問題は、そのあいだをつなぐ動詞です。
同じ船の上で、語り合うのか。沈黙が流れるのか。はたまた眠るのか。
ここは完全に創作ですが、海の上で眼を閉じることで、ふだん認識できないような空間や時間の広がりの中に身をゆだねることができそうだと思いました。
あとは表記。
手堅く文語(古い書き言葉)にするなら「眠らむ」。
格調高く俳句らしさは出ますが、ちょっと重たいトーンになり古風な趣きにも。たねまをさんの作品が持つスマートで洗練された空気感とはなじみません。
不思議なもので、句から漂う香りも、都会的でモダンなものではなく古民家で炊く和の香りに変わってくるような、、、共感していただけるでしょうか?

今回の「表現のフォーカス」は、この絵が持つ「同じ船に乗ってるだけよ。」という、どこか乾いていて、それでいて刹那的な大人の距離感、関係性。
その温度感を引き寄せるために、今回は「眠らむ」という文語ではなく、「眠らう」という現代の口語ならではの曖昧なニュアンスを選び取りました。
香りは、記憶。
いのちは、まぼろし。
たねまをさん、作品の原作者としてはいかがでしょうか。
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香水や眠らう次の港まで
こうすいや ねむろう つぎのみなとまで
季語:香水(夏)
