虫の音に重なりゆくラ・カンパネラ


小さな暮らしを目指しているわたしたちですが、大切にしたいものには投資を惜しみたくないとも思います。

楽器との付き合い方を見つめ直すできごとがありました。


新たな相棒たち。

夫婦音楽制作ユニットcanorusの活動が増えてきました。

だいたい月に1本はどこかでライブをしている計算です。

相棒となるのは、アコースティックギター

当初は、父から譲り受けた”ビンテージ”なKAWAI製のものを使用していました。

ただ、会場によって音響環境がさまざまな中で、ボーカル用マイク2本、ギター用マイク2本をセッティングして音のバランスを調整するのはちょっと大変です。

PA卓に直接つなげるエレアコ(エレクトリック・アコースティックギター)ならそのストレスが減るのではないかと思い、夏に1本ずつ購入しました。

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S・ヤイリ製 YE-58
妻のギター。同じくS・ヤイリ製。
ひと回り小ぶりな妻のギター。同じくS・ヤイリ製。

ライブ前日に楽器店へ駆け込み!

しかし、これがどうにも弾きにくい。

原因は明らかで、購入した当初から弦高が高すぎる(押さえるのに力が必要)のです。

神戸KIITOというおしゃれな会場でのライブをイメージして音合わせをしていた前日。

自分で作った曲が何度やっても弾けない・・・。

「こんなはずはない!きっとギターのせいだ!!」

そう思い立ち、以前知人に教えてもらった溝口のPALというギター専門店に駆け込みました。

「あぁ・・・普通の弦高の倍ぐらいありますね。なかなかここまでは・・・(笑)ネックの反りを直して、サドルを削ってみましょうか」

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「サドル」とは、ブリッジ側の弦が乗っている白いパーツ。この底を削ることで弦高を下げる。

そう言うなり、店長さんがてきぱきと調整してくださり、1時間ほどで、同じギターと思えないほど弾きやすい状態に。

いたく感動して、ついでに妻のギターも直してもらいました。


オススメしてもらった最新の弦調湿材、ボディ保湿のためのオレンジオイルなども購入したら、想定外のお会計に。

思わず声が出そうになりましたが、

「店員さんに知らないことを教えてもらって感動したときは、その人から商品を買う」(だったと思います)

という松浦弥太郎さんのことばを思い出して、何気ない顔を装って支払いました。

P.S.
PALさんは、マーチンなどのビンテージギターの輸入販売を全国でも先駆けてはじめた店で、ギターマニアの間では知る人ぞ知る店のようです。


ギターは、木で出来ている。

今回の修理のことがきっかけで、PALの店長さんと社長にあれこれギターについて教えてもらうことができました。

アコースティックギターはエレキ・ギターと違ってボディもネックも非常に繊細なため、購入時はよく”木が動く”そうです。

マーチンなどの高級ビンテージギターにおいては、その影響をなるべく抑えるために、シーズニングといって、切り取った木を何年も寝かせてクセを見極めてから加工するのだそうです。

保管する湿度環境も重要で、暑すぎず、寒すぎず、湿度が高すぎず、低すぎず。

人間が心地よい環境に置いてあげることが大事なんだとか

さらに、弦をぴーんと張った状態の張力は70㎏もの負荷がボディに掛かっているそうで、弾かないときや持ち運びの際は弦をゆるめてあげるべきとも・・・。

まるで、新しく生き物を飼うようです。

大切に弾きこんでいきたいと思います。


今日の一句

虫の音に 重なりゆく ラ・カンパネラ

むしのねに かさなりゆく ラ・カンパネラ

季語:虫の音(秋)

「田舎暮らしにBGMは必要ない」と思っていましたが、囲炉裏の部屋に位置が定まったアンプ&自作スピーカーの鳴りが良く、仕事の合間や夕食後に所有しているCDを聴きなおす時間が増えました。

ここでは虫の音や鳥の声もずいぶんな音量なので、派手なロック系の音楽よりは、ピアノやアコースティックのシンプルな音楽が合います。

フジ子・ヘミングによる『ラ・カンパネラ』の後半のクライマックスは、どうしてなのか聴くたびに涙腺がゆるみます。

 


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