掬いつつ手にあまりたる春の水


「新妻や 弥勒の手なる 春の暮」と詠んだのは昨年の春。

パートナーとの絆は、形を変えながら年々強まっていくのかもしれません。


春のもの想い

「山口さんとこは、いつも一緒におるなぁ」

と言われます。

実際にはそんなことは有り得ない訳ですが、「同世代の夫婦と比べれば一緒にいる時間が長い」のは間違いないと思います。

場所を問わない事務作業は長谷で行うことも多く、姫路の打ち合わせやイベントが続きどちらかの実家に1泊するときもたいてい二人いっしょです。

結婚3年目に入りましたが、感覚的には5年、いや10年くらい結婚生活を送っているような感覚があります。


妻との(腐れ)縁は高校時代から。

今では自営業のパートナーであり、音楽仲間であり、気の合う仲間であり、ときに火花を散らすライバル、あるいはその存在自体が許せなくなるほど憎き相手でもあります。

最後のは余計ですが、要は、同じ空間で過ごしていると、個人作業をしていもついどちらかが声をかけてあれこれ話し込んでしまいがちなのです。

そんな中、この週末はほぼ別行動。

妻は姫路で行われる表千家の御茶会に参加するため、前日午後から姫路入り。

田舎の美しい自然と澄んだ空気を感じながら、資料の揃った自宅でひとり机に向き合う貴重な時間が生まれました。


ひとりは気楽。されど・・・。

ただ、困ることもあります。

いちばんは、食事。

山口家の暗黙のルールは、「得意なほうがやる」です。

共働きなので家事は分担しないと・・・という気持ちはあるのですが、今のところ料理は完全に任せきりです。

自家製野菜やいただきもの、それに買い足す食材をフル活用して手早く料理を作る姿を見ていると、「あ、これは自分には無理だ」と早い段階で諦めの気持ちと安心感が生まれ現在に至っています。

さいわい味の好みが近いこともあり、基本的に「料理の文句を言わない」ことで、この役割分担に波風を立てないよう心がけています。

(ちなみに掃除や片付け、洗濯物たたみは主にわたしの仕事です。)

今回はカレーを作り置きしてくれていたので、朝昼晩すべてカレーでした。


もうひとつは、背中の傷の治癒

どうしてか今年の冬に入ってから背中に炎症が起こっており、以前に処方されたステロイド膏薬には頼りたくないと思いワセリンなや熱湯消毒など試しましたがなかなか決定打がありませんでした。(ステロイドを使い続けると皮膚が黒ずんでしまい、やめると以前より症状が悪化します)

そんな中、妻が「あ、もしかしたらあれが効くかも!」と棚から取り出してきたのが、

ドクダミチンキ。

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ドクダミの花を焼酎に漬けたものですが、試してみると明らかに症状が改善!

なんでも、皮膚の外傷治療美白に効果があるといわれるドクダミをおととしの夏に漬けていたそうで、瓶を取り出した場面はまるでドラえもんの道具登場シーンでした。

妻はこれを手作り化粧水に混ぜて使っているそうです。

ゆくゆくは、若杉ばあちゃんのような存在になっていくのかもしれません。

ドクダミは日陰を好みます。
ドクダミは日陰を好みます。
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贅沢に花だけを漬けこんでチンキに。(写真は妻提供)

そのドクダミチンキをお風呂あがりに塗ってもらうのが日課なのですが、自分で塗るのは思いのほか大変・・・。

身のまわりのことをいかに妻に頼っているか痛感した週末でした。


今日の一句

掬いつつ 手にあまりたる 春の水

すくいつつ てにあまりたる はるのみず

季語:春の水(春)

あの冬涸れが嘘のような、雪解けをふくむゆたかな川の流れ。

思わず手を差し入れるも、とても掬いきれませんでした。


兵庫県姫路市生まれ。早稲田大学大学院 教育学研究科 修了。専門は江戸の初期俳諧。 総合広告会社(博報堂DYホールディングス)を経て、2014年兵庫県神河町に移住。2015年起業。2020年より株式会社OFFICE KAJIYANO 代表取締役 俳句結社「姫路青門」所属

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