摘み菜に残れる泥を落としけり


スーパーには並ばない「ごちそう」。

大根の間引き菜が楽しめる季節になりました。


農家の特権!?間引き菜三昧。

 

「最近のこどもはスーパーに並んでいる食べものしか知らない」

ここで暮らしていると、たびたび話題にのぼるテーマ。

恥ずかしながら、わたし自身がそうでした。

 

たとえばオクラ

生育のありよう。

ひと晩であっという間に大きくなる成長のスピード。

収穫どきを逃すと硬くなってしまうこと。

じっさいにやってみて、触れてみなければ分からないことばかりです。

 

「あんたはすぐ机の上でもの考えようとするんや」

言われるたびにグサッときますが、「実際そうだなぁ」とも思います。

ことわざの本英語の絵本が好きで、どろんこ遊びや虫取りには興味を示さなかったという幼少期を思い返しても(と言っても鮮明には覚えていませんが)

まさに「三つ子の魂百まで」

すっかり机の上で過ごす時間が長い人生になってしまいました。

それでも、学ぶのは今からでも遅くないと信じて、教えを乞い、実践を重ねる日々です。

 


前置き(?)が長くなりました。

ところ変わって、町の有機農業研修の試験圃場。

保田先生の指導のもと、今月は、夏野菜の片付けのほかダイコンの間引きレタスの植え付けを行いました。

 

ダイコンをはじめアブラナ科の野菜は、競争させることで生育が促進されます。

そこで、十文字に5粒植え

2〜3葉ついたら成長の良いものを残して間引きます。

ところが研修は月に1回。

合間にようすを見に行っておけば良かったものの、ついつい足が遠のいてまる1ヶ月放置

案の定、おしくらまんじゅう状態のダイコンを選別して間引くのはかなりの手間でした。

 

「農業は適期」

頭の中でリフレインしました。

 

どれを残すか迷いつつも、手元に次々と集まる間引き菜。

研修に参加しているベテランさん曰く

「これが美味いんや!刻んで塩もみして食べたらメシなんぼでも食えるで」

(わたしと同じで)たぶん調理するのは奥さんだろうなと心の中で思いながら、わたしも食べるのが楽しみになりました。

同じ時期に、自家農園『sankira green-farm』にもダイコンを植えていたのでそちらも間引き。

結果的に、大量の間引き菜を持ち帰ることになりました。

その時にしか食べられないからこそスーパーに並ばない生モノ。

あいにく研修時が雨天だったために泥まみれ

さすがに妻に申し訳ないと思い、作業を手伝うことにしました。

 

「二人で台所に立つん、久しぶりやねぇ」

「そ、そやな・・・」

わたしがぎこちなく間引き菜を洗い、妻がトントンと刻む。

エンドレスに続くかのような、秋の夜なべ。

変な力が入ったのか、腰と膝にじわじわとダメージがきました。

 

朝の食卓には、「間引き菜の一夜漬け」「間引き菜の味噌汁」

爽やかな辛味は、新米との相性抜群でした。


今日の一句

 

摘み菜に 残れる泥を 落としけり

つまみなに のこれるどろを おとしけり

季語:摘み菜(秋)

土の香りが残る、ダイコンのこども。

葉の裏や付け根についた泥をていねいに何度も洗いました。


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